「俺に金を見せろ!」
みなさんご存知、映画「ザ・エージェント」(1996年)からの一言。
トム・クルーズがやり手のスポーツ・エージェントとして、落ち目のフットボール選手と共に成功までの道のりを描くストーリー。能天気な選手役、キューバ・グッディング・Jr.がアカデミー助演男優賞を獲得。ぶっ飛んだ陽気さがいい味出しています。
理想と現実の狭間で揺れ動くトム。やりたい音楽と売れるための音楽。撮りたい写真と食べていくための写真。仕事をしていれば皆それぞれ胸に葛藤を抱えている事でしょう。ブリジット・ジョーンズの日記でおなじみ、レネー・ゼルウィガーの出世作でもあります。
さて、映画「ザ・エージェント」では実在のNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)チームを舞台に話は進みます。今回の「マニアックモノガタリ」はそのNFLをご紹介します。
なかなか日本では馴染みのないアメリカンフットボールですが、その名の通り、本場アメリカでは4大スポーツ(他は野球、バスケットボール、アイスホッケー)のうちの中でもトップの人気を誇ります。リーグ No.1を決めるスーパーボウルの視聴者数は全世界で1億人を上回り、ハーフタイムショーに呼ばれるのは超一流アーティストとして成功の証。
また、NFL全体の収入は驚愕の1兆5千億円超え!球団数はもちろん、全人口も違うので同じ土俵で比べるものではないでしょうが、日本のプロ野球の総収入が1800億円前後と言われていますので、市場規模の違いがおわかりかと思います。
NFLとは?
NFLの歴史は古く、1920年に創立(前身時代も含め)。発足当時はわずか4チームでしたが、現在では32チームで構成。
この32チームがAFCとNFCという2つのカンファレンスに16チームずつに分かれ、(日本のプロ野球でいうところのセ・リーグ、パ・リーグ)さらに、4チームずつ東西南北の地区(ディビジョン)に所属しています。
カタカナばかりが並びますが、全チームを一覧表にまとめてみました。
対戦方式は簡単に言いますと、前年度の成績なども踏まえて構成された組み合わせの中、ホーム&アウェー方式でレギュラーシーズンと呼ばれる16試合を戦います。そこから両カンファレンスの勝率の高い上位7チームが、プレーオフと呼ばれる一発勝負のトーナメント戦へ。頂点を決めるのがもちろんスーパーボウル。
またまた野球の例えですみませんが、
レギュラーシーズン→クライマックスシリーズ→日本シリーズ→日本一
とだいたい同じ方式ですね。
レギュラーシーズンは9月から1月頃まで。オフシーズンには、新しいチームづくりのためドラフトが行われます。32チームもあれば、お金があるチームが強くて、弱いチームはいつまでも弱くてつまらないのでは?と思うかもしれません。
NFLのドラフトにはウェーバー制というものが導入されており、(日本のプロ野球でも一部この制度を導入)ザックリ言うと、昨シーズンの成績が弱かったチームから、1位指名の権利がもらえるというもの。これにより、戦力の均等化が図られ、どのチームが優勝してもおかしくないことになっております。
シーズン初めに、「今年も阪神はアカンなー」と、早くもあきらめる状況ではなく、「いやいや今年はひょっとしたらいってまうでー」と毎年思えるのはファンとしては非常に面白い制度だと思います。
レギュラーシーズン、1試合平均の観客動員数は6万5千人を超えるモンスターコンテンツ「NFL」。
チーム名の由来は?どうして名前が変わったりするの?そもそも50州覚えてる?
このような疑問をこの「マニアックモノガタリ」で明らかにしていきたいと思います。
「NFLって何?」 終
2022年9月公開。