——スニーカーでかなり盛り上がってしまいましたが、最後はアパレルのお気に入りもお伺いしたいです。
芦田 僕がここ最近で1番気に入っているアイテムから紹介しますね。(スポンサー契約している)「reversaL(リバーサル)」のなんですが、これです。
——松田優作さん!!これはめちゃくちゃ渋いですね!
芦田 映画『ブラック・レイン』のロンTです。これは発売されたときに即買いしました。reversaLはスタイリングに応じてL〜XLを着るんですが、これは少しオーバーサイズにしたかったのでXLです。
——私も欲しいです、かっこいい。ちなみにこれをチョイスした理由を教えて下さい。
芦田 さっきの話にもありましたけど、とにかく渋いんです。この渋さに、例えばさっき(第二話で)紹介したパイソン柄のスニーカー(ポジット)を合わせてギャップを作るのがすごく好きで。お気に入りのコーディネートなんですよ。
——reversaLってロゴシャツのイメージありましたけど、こんなデザインも出しているんですね。
芦田 そうなんですよ。もともと僕はすごく(reversaLが)好きでスポンサーに付いていただいたんですが、オシャレを気軽に楽しめるアイテムが多いんです。例えば水陸両用で、海に入ったりシティーユースで履いたりできるハ―フパンツもいっぱいあるんですよ。
——こんなデザインのもあるんですか!コーディネートを考えるのも楽しそうですね。
芦田 僕はこれくらい派手なパンツの上に、無地のトップスをあわせてスニーカーを履くのが好きです。reversaLはこういうデザインが多くて、僕がこのブランドを好きになった理由のひとつでもあります。
——それは興味深いですね。詳しく聞かせてください。
芦田 デザインの中に、格闘技のエッセンスをすごく入れているんです。例えばこのパンツにもチェーンが入っていますよね。ただただボタニカルなデザインで終わらずに、ちょっとメリケンサックが描かれていたり。こうやって僕の好きな格闘技とファッションがちゃんと入っているところが、すごく好きなんです。
芦田崇宏とreversaLの素敵なストーリー
——芦田さんの言葉からたくさん愛が伝わってきて、とても選手とスポンサーという関係には見えません。初めてreversaLのアイテムを身につけたのはいつなのでしょうか?
芦田 reversaLのアイテムってそんな安くはないので、すごく欲しかったんですけど若い頃は気軽に買えませんでした。例えばパーカーとかでも2万円くらいするんです。初めてのreversaLは、今のジム(Braveジム)に入門した頃でしたね。僕の師匠の宮田和幸さんから、「会員さんのミットを持つのを手伝って」と言われて手伝ったらご褒美にいただいたんです。デニムの七分丈のジーンズでした。
——当時の宮田和幸さんは確かreversaL契約選手として活躍されていましたよね。
芦田 はい、宮田さんが(reversaLを)地上波に出した1番最初の人って言われてるんですよ。それが、僕が19歳のときにはじめて手に入れたreversaLのアイテムでした。
——そうだったのですね。もともと芦田さんのあこがれのブランドだったということで、すごく嬉しかったのでは?
芦田 いや、もうめちゃくちゃ嬉しかったですよ。「うわああああ、reversaLだ!」って喜びました(笑)今は体が大きくなってしまったので履けなくなったんですが、ちゃんと大事に実家に置いてありますね。
——ここから、“弟子”の芦田さんが、お師匠様である宮田和幸さんのスポンサーブランドreversaLと契約にどうやって至ったのかというストーリーが気になります。
芦田 そこから、師匠(宮田和幸さん)が僕を何回もreversaLの展示会に連れて行ってくださったり、ご飯を一緒に食べさせていただいたりしていたんです。そうして迎えた、2014年のシンガポールでの試合(Rebel FC)が転機でしたね。海外で、大きな大会で、しかも対戦相手も有名な選手だったので、そこで契約をいただきました。
——改めてこの大会についてのお話もお伺いさせてください。
芦田 この大会は、初めて僕の階級で実施されたトーナメントだったんです。海外の試合だったので、ブラジル・アメリカ・オーストラリアなど世界中の選手が参加していました。組み合わせは抽選だったんですが、僕の対戦相手(ミゲール・トーレス選手)はこの大会1番の目玉選手だったんです。軽量級で最も有名なWECの王者で、UFCでも活躍していたんです。言ってしまえば、僕は”噛ませ犬”みたいな感じでした。
——いきなり1番の目玉選手との対戦だったんですね。
芦田 はい。でもその試合が決まって、(周囲が)盛り上がったんです。「芦田って誰!?」みたいな。試合も内容では勝っていたと思うのですが、判定で負けてしまって。それで余計に盛り上がりに火が付いてたんです。ミゲール・トーレスって当時は対日本人に全勝していたんですが、そんな選手とそこそこやり合ったので僕の名前も広まったんだと思います。
——なるほど。reversaLさんにとっても大きな露出の機会ですし、芦田さんにとっても大きなチャレンジの大会だったのでお互いにとっていいきっかけだったんですね。しかも結果的に芦田さんの名も上がったので、効果も大きかったのでは?
芦田 そうですね。それ以来、reversaLさんとはずっとお付き合いさせていただいています。勝っても負けてもずっと応援してくださるので、すごく感謝しています。もともと大好きなブランドでしたし。
——本当に素敵なストーリーです。格闘家芦田崇宏のプロ生活におけるファッション、その中心にはいつもreversaLさんがいらっしゃるんですね。
芦田 完全にその通りですね。ただ僕はスニーカーも大好きなんです。だから変にreversaLだけにならないように、「こんな合わせ方もあるのか」とか「こうやって着るのかっこいい」と思ってもらえるように、色々なスニーカーとうまく組み合わせて自分を表現していきたいと思っています。
——今日はスニーカーにアパレルに、ファッションを通じて芦田さんの色々なお話を聞くことができました。ありがとうございました。次の方も、ぜひご紹介いただけると嬉しいです!
芦田 任せてください。心当たりはありますので。こちらこそ今日はありがとうございました!
取材後日、芦田さんが紹介したアイテムの写真を送ってくれた。
スニーカーと同様にバッチリ収めてくれていたのだが、
「すいません、画質が悪いですね。もっかい撮り直します。」
というメッセージが届き、もっとキレイに撮影された写真がちゃんと送られてきた。
K こだわる
O 男
さすが格闘家。完敗です。
撮り直してくれた写真
reversaLの柄物パンツコレクション
Great Minds Think Alike 終
2020年6月掲載