名カメラマンに4回も登場してもらう!
2020年を振り返る―。
ということでSPOALに掲載された自分の記事を全部並べてみるというあまりひねりのない作業から始めてみるとこれビックリ! ほとんどの記事が2020年に書かれているのですね。でもよく考えてみれば当たり前。SPOALは19年11月に立ち上がっていますが、“本格始動”は今年だったのです。
ズラッと並べてみるとボクシング記事が多い。理由は私のメインフィールドがボクシングだからです。世界的ボクシングカメラマンの福田直樹さん、世界王者の寺地拳四朗選手と福田さんの対談、世界3階級制覇王者で秋に引退した八重樫東さん、世界チャンピオンの山中慎介さんのマネジャーである大徳義幸さん、公式審判員の中村勝彦さん、そして締めに福田さんと俳優の香川照之さんによる同級生対談―。
このすべてが思い出に残る原稿になりましたが、名カメラマンの福田さんに3回も登場していただいたとは頭が上がりません…。違う! SPOALの高須力&近藤俊哉カメラマンを交えた座談会「ファインダーのムコウ」も掲載は今年に入ってからですからなんと登場は計4回! 福田さん、本当にありがとうございました(平身低頭)。
さて、ボクシングは私の最も得意とするところですから、バックグラウンドが十分にあるという意味で、取材は楽と言えば楽です。手前味噌ではありますが、けっこう奥深いところまで話を聞けることもあります。
他方、バスケットボールの家庭教師である鈴木良和さん、東京エクセレンス(バスケットボールB3)の宮田諭さん、そしてジークスター東京(日本ハンドボールリーグ)の髙宮悠子マネジャーと横地康介監督の取材は、ボクシング村の住民とも言える私にとって非常に刺激的な時間となりました。
中でもハンドボールは私のスポーツライター人生の中でも画期的な“出会い”になったと思います。ジークスターを取材するため日本ハンドボールリーグに足を運び3試合を観戦しました。スキーのノルディック複合やフォーミュラニッポン(現全日本スーパーフォーミュラ選手権)、馬術、なぎなたまで取材経験のある(全部1度だけだけど)私でさえも、ハンドボールの試合を生で見るのは始めてでした。
これが面白い!
抜群のスピード感、豪快なシュートはもちろんですが、相手の欺くテクニカルなシュート、さらに繊細なパスの技術まで、楽しめる要素が盛りだくさんなのです。ジークスターの試合をきっかけにYouTubeで日本代表の試合を楽しみ、さらには2019年世界選手権の映像を見て世界トップレベルのプレーまでチェックしてしまいました。
2021年はさらなる出会いを求めて
私はいまボクシング専門誌が運営する「ボクシングニュース」というウェブサイトで中心的なライターを務めています。取材の対象は日本のみならず世界を含めたボクシングの“すべて”です。このサイトを運営しているうちに、気がつけば特定の選手にフォーカスしたり、特定の試合にだけ力を入れたり―という取材がめっきり減ってしまいました。
すべてをカバーしようとすると、どうしても1カ所にフォーカスしずらくなってしまいます。「ボクシングニュース」にとっては注目選手の相手選手だって取材対象ですし、特定の試合の前座だってレポートするわけですから、あまり良くない意味で「広く、浅く、公平に」となるのは必然なのでしょう。それが私にとっていつの間にかストレスになっていたのかもしれません。
ハンドボールで私はジークスター東京に思い切り肩入れし、バスケットボールB3なら東京エクセレンスを迷わず応援しながら試合を見ることができます。“ひいきのチーム”を持ち、スポーツ観戦の楽しさを再認識し、原点を思い出すことができました。
2021年はこの2チームの活躍をいまから楽しみにしています。ジークスター東京はリーグ戦のまっただ中にあり、3月から始まるプレーオフ進出にかすかな望みをつないでいます。東京エクセレンスのシーズンは1月9日に開幕。B2そしてして夢のB1昇格に向けてチャレンジのシーズンが始まります。
そして来年も足繁く通うであろうボクシングでも、もう少し偏ったり、肩入れしたりしながら試合を楽しむことにしましょう。2021年のSPOALにぜひご期待ください!
終わり
2020年12月公開