偶然出会った「NIKE ON AIR 2018」日本代表の宅万勇太さんとのショッピング(見るだけ)を終え、また散策を再開しました。
来た道を引き返して神宮前二丁目の通りに出ると、まもなくランチタイムということもあり人通りが増えたようです。
左手に見える緩やかな坂道、ここをひたすら真っすぐ歩くと10分ちょっとで神宮球場に行くことができます。このあたりの地理は意外と面白く、外苑前・表参道・北参道・原宿・千駄ヶ谷は全て徒歩圏内。スポーツとファッションの距離感が抜群な街と思って歩くのも、SPOALの取材っぽいですね。
実はこの通りにも、いくつかショップが並んでいます。
神宮球場側へ数分歩いた先にあるのが、SPOALの取材でもお世話になった「askate(アスケート)」。店長の奥山さんが揃えたスニーカーのラインナップ、特に今大人気のNIKE DUNK系は圧巻の一言。オープンから1年半が経ち人気もうなぎ登りで、MAGICNUMBER(マジックナンバー)やSlyde(スライド)といった国内ブランドとのコラボレーションも手掛けるようになりました。今後の動向からも、目が離せません!
また、askateからもう少し奥を進むと、「A+S(Architecture and Sneakers)」というショップもあります。SOPH.が2015年にオープンしたスニーカーショップで、特にすごいのがその内装です。建築家の荒木信雄さんが手掛ける、高級感・重厚感・温かみが見事に調和した空間は一見の価値あり。是非近くに来たらお立ち寄りください。
裏原をゆく
旧渋谷川遊歩道路を進み、今度は裏原宿エリアに入りました。
裏原宿——
一度は聞いたことがあるフレーズではないでしょうか?広義では、原宿通りやキャットストリート(渋谷川遊歩道)を中心としたエリアを指します。その語源も面白く、原宿駅前にある竹下通りの後を追うように若者向けのショップが集まるようになってきたので、その後発的な盛り上がりの意も込めて「裏原宿」になったのだとか。
「fragment design」の藤原ヒロシや、「A bathing Ape」のNIGO、「undercover」の高橋盾など、今ではファッション業界のトップランナーとなった人たちが、1990年代前半の黎明期からこの裏原宿でしのぎを削っていました。
もともとこの裏原宿エリアは竹下通りに比べるとアクセスも少し悪く道も入り組んでいるので、テナント料も竹下通りに比べて安価でした。こうした背景も相まって、多くのチャレンジが生まれる土壌が形成されたのです。
今のようにスマホがなければ、グーグルマップもない時代です。迷路のような裏原宿を、自分の感覚を頼りに歩いていくのが当たり前でした。その道中では、お目当ての店だけではなく、新しい店との出会いもあります。これがまたロマンの一つでもあり、行く度に「自分だけの地図」が出来ていくのが裏原宿の魅力でした。
原宿通りを超えると、少しショップの景観が変わってきます。
ふと目をやると、NIKEのレアスニーカーや、supreme(シュプリーム)の人気アパレルがウィンドウに並んでいました。
最近のストリートでは、このようにユーズド(中古)の商品を取り扱う店が増えてきました。これはまさにブームの産物というべきものです。スニーカーやストリートブランドは人気であるが故に、誰もが気軽に買うことができなくなりました。今朝の並びが象徴するように、争奪戦になることもしばしばです。
発売日に買えなかったものを買う手段、その一つが中古市場なのです。出品側は飽きたタイミングで手放すだけですが、価値が高いものは中古でも高値で取引されます。そのため、昔はフリーマケットでタダ同然で手放していたようなものも、今では利益を生み出す立派な”ビジネス”になりました。
買った人は、売ることを視野にいれて大事に履く。
買えなかった人は、状態が良いものに出会える。
間のお店は、そのハイレベルな需要と供給バランスで儲ける。
こうした原宿の風景からも、ストリート市場を垣間見ることが出来ますね。
ずらりと並ぶ中古取り扱いショップ!
裏原宿はとにかくショップが数多く立ち並んでいて、このエリアだけで一日中過ごすことができるほど。昔はかなり入り組んだ道でしたが、最近はすっかりと歩きやすくなりました。ベビーカーを押しながらショッピングをするお母さんの姿を見ることが出来たのが、とても印象的でした。
おっと、前だけ見てはいけません。ちょっと左右に視野を広げてみると、このように隣の通りに抜けられるようになっている場所も発見出来ます。
旧渋谷川遊歩道路と明治通りの間には3つも通りがあり、それぞれにぎっしり店舗が並んでいます。今のストリート人気を牽引する「supreme(シュプリーム)や「neiborhood(ネイバーフッド)」、先程お話した「A bathing Ape(エイプ)」といったショップから、「atmos HARAJUKU(アトモス原宿)、「billys ent(ビリーズ)」といったスニーカーショップもこの範囲に集結しているのです。
このエリアを思いっきり愉しむためにも、抜け道は欠かせません。裏原宿を歩いたときには、前後だけでなく左右も気にしながら探してみてください。
少し感傷に浸りながらの裏原宿散策を終え、表参道へ出ました。
やはりメインストリート、人通りがグッと増えています。少し歩くだけで街の雰囲気がガラッと変わるのも、このエリアを歩く醍醐味ですね。
さて、散策もいよいよ終盤戦へ。
最後はキャットストリートを歩きながら、渋谷方面へ向かいます!
2020年10月公開