雨で大荒れのトルコGP
F1 2020年シーズンも終盤に差し掛かりました。第14戦のトルコGPは予選から雨。決勝レースも雨で大荒れとなりました。もともとあまり使用されていないコースとなり、F1開催の直前に路面を再舗装したことで非常にスリッピーなレース展開となりました。路面を再舗装すると表面に油が浮いてきます。皆様も真新しいアスファルトの道路を見るとピカピカと光っていて雨が降ると水を弾いている光景を見たことがあるかと思います。雨が振らなくとも油が落ちるまで滑りやすい危険な状態であるのに、なぜF1開催の直前に再舗装をしたのか理解に苦しみます。そして、追い打ちをかけるように雨。予選は途中で赤旗中断となり雨が収まるのを待つぐらいの豪雨でした。
ルイス・ハミルトンは雨がそこまで得意ではないドライバー。予選もトップと5秒弱近くも離され6番手。今年最低の予選結果に終わります。現在雨に強いと言われるドライバーは、レッドブルのマックス・フェルスタッペン。そのフェルスタッペンは予選2番手。予選1番手はなんと、レーシングポイントのランス・ストロールでした。このランス・ストロールはあの「トミーヒルフィガー」などの大株主で事業家であるローレンス・ストロールの息子です。そしてレーシングポイントの所有者でもあります。ローレンスの資産は2,500億円以上と言われており息子がF1で成功する為にとんでもない金額を使用しているとのことです。息子をF1に乗せ続けるために、チーム(現在レーシングポイント)を購入したりとやりたい放題です。
スリッピーな展開でスタートのトルコGP。ドライバーたちも無線で「まるで氷の上をはしっているようだ」「氷の上を走るよりスリップするよ」とチームにコース状況を伝えています。予選2番手だったレッドブルのフェルスタッペンはスタートで失敗をしてしまい、いきなり順位を後方に落としてしまいます。スタートの混乱を華麗に交わしてハミルトンは順位を上げて3位まで浮上。路面も徐々に乾き始めた37周目でハミルトンがレーシングポイントのペレスを抜き1位に。そのままフィニッシュとなり今季10勝目で7度目のワールドチャンピオンを獲得しました。
ミハエル・シューマッハに並ぶ7度のワールドチャンピオン
トルコGPで優勝したハミルトンはミハエル・シューマッハに並ぶ7度のワールドチャンピオンを獲得。ミハエル・シューマッハはベネトンで2回、フェラーリで5回とワールドチャンピオンを獲得。それに並ぶ偉業です。
ハミルトンはマクラーレンで2008年にデビュー2年目でワールドチャンピオンを獲得。しかしその後はレッドブルの時代の一強時代が続いてしまい、その間にメルセデスへ移籍。2014年に再度、ワールドチャンピオンを獲得。そこからメルセデスの一強時代が続いています。
7度のワールドチャンピオンというのは、「運」と「マシン」に左右されます。マシンが強ければ誰で勝ててしまうのがF1。一強になりやすいスポーツですので適切なタイミング(運)で適切なチームにいることが偉業への近道なのです。
ミハエル・シューマッハ時代のフェラーリは過去の栄光であり、名だたるドライバーがフェラーリに移籍しましたがキミ・ライコネンが1回ワールドチャンピオンを獲得しただけで今では全く勝つことができません。
ハミルトンはものすごく早いドライバーですが何よりもメルセデスという現在の最強マシンに乗れているという運が強いのかもしれません。
次回はハミルトンにまつわる小ネタを紹介していきます。
2020年11月公開