観たいなと思いつつも結局はスルーしてしまった映画が、ふとテレビをつけたときに偶然流れていて「これ昔、観たかったヤツやん!」と思わず心のなかで叫んでしまったことってありませんか?
私、それ結構ありまして。
最近も朝5時に目が覚めてしまってテレビをつけたら、いつかテレビでやらないかなーと思っていた作品がちょうど始まったところでした。こんなラッキーなかなかない。早起きは三文の徳とはよく言ったものですね、はい。
作品の名前は「2番目のキス」(日本は2006年公開)です。
主演は「50回目のファーストキス」(のちに山田孝之、長澤まさみでリメイクされています)や「チャーリーズ・エンジェル」で知られるドリュー・バリモアと、テレビ司会者としても有名なジミー・ファロンによるラブ・コメディ映画。えっ、スポーツ関係ないって?いやいやこの作品、スポーツなくして始まらない物語なんです。
ジミー演じるベンは筋金入りのメジャーリーグ、ボストン・レッドソックスのファンなんです。ドリュー演じるリンジーと出会って恋愛関係に発展するのですが、メジャーリーグのシーズンが始まってしまうと、それまで「彼女ファースト」だったのに「レッドソックスファースト」に切り替わってしまいます。
リンジーからしたら、もちろん面白くない。私より野球のチームがどうして大切なのよ!となってしまいます。一方のベンは葛藤しながらも、レッドソックスが自分にとってどんな存在なのか、彼女がどんな存在なのかを悟っていきます。スポーツを通じて愛を知る、何ともまあハートウォーミングなストーリーなんです。
実際、レッドソックスが2004年に86年ぶりにワールドシリーズを制したエピソードを重ねて、話が進んでいきます。
宿敵ニューヨーク・ヤンキースとのリーグチャンピオンシップシリーズで3連敗、それも第4戦、1点ビハインドの9回裏から同点に追いついて延長戦で逆転して劇的な勝利をもぎ取って、そこから連勝してヤンキースを下すという奇跡を起こします。その勢いに乗ったまま、ワールドシリーズでセントルイス・カージナルスに4連勝して「世界一」に輝きます。
2人の恋も最大のピンチからまさに奇跡的に結婚まで進んでいく。あのときのレッドソックスのストーリーを知っている人であれば。チョー盛り上がりますね。
実はこの作品の原作はサッカーでした。
1988~89年シーズンの英プレミアリーグ、最終節でリバプールとの直接対決を制して奇跡の優勝を果たしたアーセナルと熱烈なサポーターの主人公の自伝的小説を基にした「Fever Pitch」という映画が英国で製作され、「2番目のキス」はそのリメイクなのです。この映画が公開されるときに、リバプールの話も伝わってきていたので「絶対観たい!」と思った記憶があります。
「2番目のキス」を観て、面白かったのはベンの部屋がレッドソックス一色だったこと。ポスターも、ベッドも、あらゆる日用品もレッドソックスのマークが存在感を出していました。でもかっこいいんですよね。レッドソックスのロゴって。
サッカー取材で僕もよく欧州に行って、グッズを買ったクチです。
スコットランドの名門セルティックのオフィシャルグッズショップは特にインパクトがありました。赤ちゃんのよだれかけや靴、おもちゃなど、あらゆるものがありましたから。デザインもカッコいいのでお土産で結構買い込みました。四つ葉のクローバーがクラブのロゴマークになっているので、あまりサッカーを知らない人にも幸運を呼び込むと喜ばれましたね。
今や日本も、プロ野球、Jリーグ、Bリーグといろんなチームがいろんなグッズを売っています。きっとベンみたいに、スポーツチームのグッズで一色になっている人も日本に結構いるんだろうなと思います。ぜひ日本版のリメイクも観たいな~って思います。
タイガースファン? ベイスターズファン? レッズサポーター?
劇的すぎる優勝を飾るチームがあらわれたら、日本版のリメイクが現実になるかもしれません。
MLBのグッズと言えばやっぱりキャップですよね。今年のワールドシリーズはアトランタ・ブレーブスが26年ぶりの優勝に王手をかけています。これをかぶってテレビ観戦しようと思っています
終わり
2021年11月公開