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しぶさんぽ シーズン10 VOL.2

東京国際フォーラムは厳重警備中!

国立競技場をあとにした私たちは外苑前駅から東京メトロ銀座線に乗車。冷房の効いた車内でひと息ついているとほどなくして銀座駅に到着した。ここから地上に上がって歩いてJR有楽町駅近くの東京国際フォーラムへ。ウエイトリフティングの会場である。

東京を代表する高級商業地である銀座。何かオリンピックを感じさせるものはないかとキョロキョロしたのだが、数寄屋橋交差点を含めて五輪風景は特になし! 無観客開催、緊急事態宣言も出ていて観光客があてにできないとなれば、はしゃいでもしょうがないということか。

東京国際フォーラムの警備は厳重な感じがした

 

私たちはそのまま有楽町駅を超えて東京国際フォーラムに向かった。この日は午後からウエイトリフティング男子109㎏級が行われるということだったのだが、会場に近づいてみると複数の警察車両とともに何ともものものしいバリゲートが! えっ、クーデター? テロ? とは大げさだけど、そんなことを思い浮かべるくらい警備が厳重だ。

道路をはさんで向かい側の歩道は格子状の柵が張り巡らされ、なんだか「警戒してるぞ!」感が半端ない。会場に入るバスも警察官ではなく、自衛官が誘導しているではないか。やはり都心も都心、東京のど真ん中のオフィス街ということで警備も厳しくなるのだろう。一方で高架下に並ぶ飲食店は営業している店が半分ほど。観客ありの開催だったら店をあけたのかな~とぼんやり考えた。

向かいの歩道から柵越しに東京国際フォーラムを見る

 

会場を1周し、警備の厳しさをたんまり味わったところで、線路をはさんで反対側にある東京スポーツスクエアの東京2020オフィシャルショップを訪れた。そうか、オフィシャルショップはここにあったのか。いや、調べて見るとオフィシャルショップは全国にいくつもあるのだという。

店内はなかなか広く、お客さんもそこそこ入っていた。私がこの日つけているマスクも売っていて、その値段はなんと2000円也! 確かに作りはしっかりしているけどこんなにするとは知らなかった。そうです、私は自分で買ったのではなく、関係者からただでもらっていた次第です。

公式マスコットミワイトワ(左)とソメイティ

 

いや、記念品に高い、安いを言ってはヤボというものだ(それが向こうの思うつぼのような気もするけど)。私も子ども用に何か買おうと考え、東京2020オリンピック公式マスコット、ミライトワのキーホルダーを990円で購入した。家に帰って我が子に渡すと保育園に持って行くリュックサックにつけて大喜び。さらには「赤いの(ソメイティ)もほしい」とまで言いだし、こちらは「いや~、もう売ってないんじゃないかな~」とごまかすばかり。いや、青いの1個(ミライトワ)でいいんじゃない? ちなみにソメイティはオリンピックではなく、パラリンピックのマスコットです。

さあ、買い物を済ませたら有楽町駅からJRに乗って次は両国だ。両国国技館はボクシング会場。ちょう入江聖奈選手の女子フェザー級決勝が行われる時間が近づいている。女子ボクシング史上初の金メダルなるか! 会場に入れないまでもすぐ近くでスマホ観戦しようというのが私たちの狙いだった。

両国で女子ボクシングの金メダルを“生観戦”する!

両国駅を降りてみると人の往来は少なく、国立競技場と東京国際フォーラムと違うのは「ものものしさ」がまったく感じられないこと。工事現場にあるような白い衝立や柵のたぐいは見当たらない。もちろんバリケードもない。普段は力士の名前が書かれたのぼりがオリンピック用になっているだけで、あとは普段の両国国技館なのである。

両国国技館で奮闘中の入江選手を会場の外でスマホ応援(ポーズだけ)

 

いいね、両国国技館! 警備は厳しくないし、国立競技場みたいに見物客もいないし、歩道にあるベンチに座ってスマホで入江さんを応援しよう! と思ったはいいけど、この炎天下に屋外でスマホ観戦はちと厳しいか。近藤カメラマンから目で訴えられた私は、「あ、じゃあ、そろそろお昼にでもしましょうか」とランチ営業している駅前の居酒屋に足を向けたのだった。

冷気に包まれてホッとする間もなく、スマホではなくパソコンを広げてボクシング中継を映し出した。しばらくして始まった女子フェザー級決勝は入江選手が接戦を制して金メダルを獲得! 私と近藤カメラマンは判定がアナウンスされた瞬間、つぶやくくらいの声で「お~」。いやいや、喜んでいないのではなく、他にもお客さんがいる居酒屋で許されるリアクションはこれくらいのものでしょう。

窓の外には駅をはさんで両国国技館。わずか数百メートル離れたアリーナの中で行われている試合をネット中継で見ているのがなんだか不思議な気持ちだ。さあ、もう少しがんばってみよう。私たちはワンコインで腹を満たし、次なる目的地に向かったのだった。

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2021年8月公開

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