8月のとある平日のこと。
朝から30℃を超え、最高気温は35℃を超える猛暑日の予報です。
額に滴る汗を拭いながら恵比寿駅の改札を出ると、そこにはふたりのおじさんがいました。
我らが『SPOAL』編集長、二宮寿朗。
同じく『SPOAL』カメラマン、近藤俊哉。
今日の目的は、編集長のスニーカー探し。
これは一大事!いつもお世話になっている編集長の一足は全力でアレンジせねば!ということで、先日の記事『Pitch on Kicks』で野球選手の須田幸太さんもお買い上げになった、代官山のスニーカーショップ「SNS TOKYO」へ行くことにしました。
あらゆる角度からスニーカーの魅力をお伝えしてきた『恋するスニーカー』ですが、今回は実際に恋に落ちてもらおうという大変実験的な試みです。
果たして編集長に運命のお相手は現れるのでしょうか?
それでは、レッツフォーリンラブ!
恵比寿 “おじさんぽ”
「いやー今日も暑い!」
半袖半ズボンと一番涼しそうな服装をしている編集長が、いきなり暑がっています。それもそのはず、11時を過ぎた時点で既に気温は34℃に迫る勢いでした。こんな日はビールが飲みたくなりますね。
そもそも、編集長はいったいどんなスニーカーを履くのでしょうか。スポーツライターという職業柄、仕事でも着用する機会は多いと思うのでちょっと聞いてみましょう。
「まず今心がけているのは、どこのメーカーも平均的に1足ずつはもつこと。例えばマリノスの仕事へ行くときは(チームが契約している)アディダスを履いていくし。(元ボクシング世界バンタム級王者の)山中慎介選手と仕事する時は、契約しているナイキに合わせるし。」
なるほど。これは職業あるあるですね。
取材に行くチームや選手の契約スポンサーに合わせてスニーカーをチョイスすること、それは取材者として編集長が大切にしている礼儀なのだそうです。細かなところですが、こうした配慮をするというのは素敵だなと、なぜか編集長に恋しそうになってしまいました。違う、そっちじゃない。
一方でカメラマンの足元事情はどうなんでしょうか?近藤カメラマンにも聞いてみました。
「僕も編集長と同じで、仕事上いろんなメーカーさんと絡むので一応一通りは揃えていますよ。ただカメラマンなので、とにかく”疲れない”ものがいいです。10kgとか20kgの荷物だから負荷がかかっちゃって。今日はそんなスニーカーがあったら履いてみたいですね。」
日頃良く目にするスポーツの記事や写真、そこにはライターやカメラマンの細かな工夫が秘められているのですね。恵比寿駅からのおじさんぽ、思わず素敵な話を聞くことができました。
代官山へ到着!ところが….
恵比寿駅から歩くこと5-6分で、SNS TOKYOがあるログロード代官山へ到着しました。既にウキウキな編集長は、店舗の案内看板を指差して準備万端な様子です。
「普段は黒で合わせちゃうことが多いから、今日はせっかくの機会だし違うものがいいかな。この前三宅選手が(記事『x TOKYO』)履いていたような左右で色が違うものもいいし。今日短パンと履いてきたのは、普段の格好に合わせられるようにするためなんですよ」
なるほど。今日の服装は、完全にスニーカーを買うための試着も想定したコーディネートだったんですね。確かに今もリーボックの黒いスニーカーを履いていますが、編集長は黒系のアイテムが多いのです。季節は夏ですし、せっかくのお買い物なので今日はいつもとは違った配色の一足を探すことにしましょう。一行はログロード代官山の奥へ進み、お店へ向かいました。
と、ここで想定外の出来事が発生!
なんとお店がまだクローズしているのです。これは大変だ。よーく張り紙を見てみると、コロナウイルスに伴う時間短縮営業でオープン時間が11時ではなく12時になっていました。
ふと腕元に目をやると、時刻は11時30分過ぎ。
オープンまでの30分を外で待つには、あまりにも酷な暑さでした。なにせ今日は真夏日、下手すれば猛暑日になりかねない気温なのです。
こんな日は、
こんな日は、
ビールが飲みたくなっちゃいますね!
ということで、30分1本勝負の昼飲みが開宴しました。
実はこの代官山ログロード、入り口すぐのところに「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO(スプリングバレー ブルワリー トウキョウ)」という素敵なブルワリーがあるのです。
メッツコーラをオーダーする近藤カメラマン、飲み比べセットを注文する編集長とわたし。おいしいクラフトビール6種類を100mlずつ飲めるお得なシグネイチャーメニューです。少し多いかなと思いましたが、「全部で600mlってすぐでしょ」と言う編集長に甘えてお供することに。
SNS TOKYOのオープンまで待ちきれないテンションで、お酒も進みます。
ここで会話が編集長の今日のテーマである「普段と買わない色」になったので、どんな色がいいのか聞いてみました。
「3月に山中慎介さんのスニーカーを買いに行った時に、山中さんが選んだ赤色のスニーカー(エアマックス95)は俺も正直いいなと思ったなあ。一人で行ったら赤は絶対候補から消しちゃうけど、何人かで一緒に買いに行くとノリで買えちゃう気がするんですよね」
これは共感出来る方も多いのではないでしょうか。
どうしても一人で買い物へ行くと、巡り巡って結局いつもの色、似たようなモデルを選びがちになってしまいますよね。確かに友人や仲間と連れ立って行くと、色々な刺激もあって普段よりチャレンジしやすいなと思いました。
編集長、安心してください。
今日は一人じゃありません。近藤カメラマンも、わたしもいます。
久々の買い物へ行くワクワク感に、少しだけお酒の勢いを借りて。
ノリもバッチリ、いざ出陣!
2020年9月掲載