千駄ヶ谷から神宮前、裏原宿と巡り、最後は旧渋谷川遊歩道路(キャットストリート)を渋谷方面に散策することに。こちら側にもスニーカーショップは数多く立ち並んでおり、非常に魅力あふれるルートです。
渋谷側のキャットストリートの特徴として挙げられるのが、ショップのバリエーションの広さです。原宿側はファッション系の店舗が多いのに対し、渋谷側はフード系のお店も充実しているのが魅力。特に近年のタピオカブームの影響で出店も増え、飲み歩き・食べ歩きしている若者たちの姿も見かけます。
そんなグルメ激戦区な渋谷側のキャットストリートで、私が大好きなお店がこちら。「LUKE’S LOBSTER(ルークスロブスター)」という、ニューヨーク発祥のロブスターロール専門店です。2018年に出店し、今でも平日のランチタイムや休日には行列ができるほど人気は健在。
レモンバターやペッパー・ガーリックで調理されたロブスターの拳とツメ部分が、香ばしくトーストされたパンにこれでもかと詰め込まれています。本当に溢れ出るほどぎっしり入っていて、見た目も味も大満足な一品。是非皆様もお試しください!(PR案件ではありません)
ちょっとグルメに話題が脱線してしまいましたが、早速キャットストリートを歩きます。
歩いてすぐに、いきなり見えてくるのが「adidas Originals Flagship Store Tokyo(アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア トウキョウ)」です。読んで字の如く、東京におけるadidasショップの総本山で、その品揃えは他の追随を許しません。
国内に入荷するモデルも、このフラッグシップでしか取り扱いがないこともしばしば。adidas好きにとっては外せない場所なのです。昨年この店舗で人気モデル「Yeezy boost 350(イージーブースト 350)」が発売になった時は、なんとこの場所から青山学院大学の手前まで壮絶な行列ができました。夕方のニュース番組でその様子が放映されていたのも、今となってはいい思い出です。
adidasファンの聖地!
さらにadidasフラッグシップから数十メートル歩くと、今度は「Reebok Classic Store Harajuku(リーボック クラシック ストア ハラジュク)」があります。
実はこの両者は資本関係にあるのをご存知でしょうか?
アディダスは2006年にリーボックを約38億ドルで買収しました。当時世界1位のシェアを有するナイキを追撃するための一手だったと言われていますが、今日に至るまでナイキの牙城を崩すことは出来ず。8月にアディダスが発表した2020年第2四半期の決算でも、全体事業(前年同期比35%減)とリーボック事業(前年同期比42%減)いずれもマイナスとなっています。
中々ビジネスとして上手くいってませんが、キャットストリートのロケーションは仲良しこよし。歩いてすぐの距離にあり、グループとしてのシナジーも感じます。個人的には、今シーズンのアディダス・リーボック両社のリリースモデルは出色の出来だと思っています。クラシック回帰で、1980~1990年代のテイスト再構築したラインは、これから少しずつ伸びてくるのではないでしょうか。
1Fがスニーカー、2Fがアパレル。
スポーツブランドのショップが続きましたが、さらに渋谷方面へ歩き児童公園が見えると少し毛色が変わってきます。左手に見えるのが、「FTC TOKYO(エフティーシー トーキョー)」というスケートボードショップです。
今のスニーカーブーム、その牽引者の一つがスケートボードシューズ。特にNIKEのスケートボードラインからリリースされるモデルは、atmosのような大手スニーカーショップではなくFTCをはじめとするスケートボードショップでしか販売されません。たまにのぞくと完売したモデルが再入荷していたりするので、実は要チェックなお店です。
TRUNK HOTEL前のこの看板が目印
FTC TOKYOのすぐ先には、スニーカーショップ「undefeated SHIBUYA(アンディフィーテッド 渋谷)」があります。国内だとatmosと双璧を成す大きさのショップで、16店舗ほど展開しています。
自社でアパレルラインも展開しており、店員さんのスタイリングがとにかくカッコいい。話しかけるとみんなとても優しく、服から靴選びまで色々な相談に乗ってくれます。秋冬コーデに悩んでいる方は、機会があれば是非お近くの店舗に足を運んでみてください!
店員さんがみんなカッコいいundefeated渋谷
散策のフィナーレはあの場所へ
キャットストリートもいよいよ出口に差し掛かってきました。スニーカーというジャンルだけでもたくさんのショップがあり、散策しがいのある場所でしたね。
ストリートの原風景ともいえるこのエリアを歩くと昔の記憶も蘇り、ノスタルジックな気分になってきました。もう私もすっかりおじさんです。ふと視線を落とすと、ステッカーが乱雑に貼られたガードレールにくくりつけられた自転車が。こういうのは変わらないストリートの1シーンだなと思い、渋谷の街をバックに撮影してみました。
背景の違和感に、お気づきでしょうか。
そうです。宮下公園がなくなったのです。
正確には「リニューアルした」という方が良いでしょう。宮下公園は数年間の工事期間を経て、今年の夏に商業施設が併設した「MIYASHITA PARK」に生まれ変わりました。散策のノスタルジーも一瞬で吹き飛ぶ、最先端のデザインで作られた施設ですね。
実はこのMIYASHITA PARKにもスニーカーショップがいくつか入っています。特に大きな話題を集めたのが、「KITH TOKYO(キス トーキョー)」。ニューヨークのスニーカーショップである「KITH(キス)」の国外初出店先に日本が選ばれ、東京にオープンしたのです。
スニーカーだけではなく、独自で展開するアパレルラインも大人気。ちょうど今は、MLB(メジャーリーグメースボール)とのコラボシリーズで、ニューヨーク・ヤンキースとロサンゼルス・ドジャースのアパレルがリリースされていました。
まさに、スポーツ×ファッションですね。
ヤンキースもドジャースもカッコいいデザインばかりです。店員さんに話を聞いたところ、発売日には明治通り沿いに500人くらい並んだのだとか。これは東京の新しいファッション名所と言っても良いでしょう。
こうして、2時間にわたる散策を終えました。
冒頭から千駄ヶ谷でいきなりスニーカーの並びに遭遇し、その後なぜかスニーカー界の重鎮に出会い一緒にショッピング。裏原宿・キャットストリートを懐かしく歩きながらスニーカーショップを見て回り、最後は生まれ変わった宮下公園もとい「MIYASHITA PARK」でシメ。
変わったもの、変わらないもの、それぞれの魅力を感じながら歩けるこのルート。是非晴れた日に、皆様も歩いてみてはいかがでしょうか。
恋するスニーカー おわり
2020年10月公開