SPOAL

Entertainment
しぶさんぽ シーズン10 VOL.3

東京ベイゾーンで新競技を味わう気分に浸る

両国から都営地下鉄大江戸線、東京メトロ有楽町線を乗り継いで豊洲駅へ。ここからゆりかもめに乗り換えて向かった先は「東京ベイゾーン」。湾岸エリアに集まっているオリンピック競技会場である。車窓に選手村のマンションを眺めながら、まずは有明テニスの森駅で下車した。目の間に広がるのが自転車BMXフリースタイル、自転車BMXレーシング、そしてスケートボードが開催されている有明アーバンスポーツパークだ。

駅から撮影した自転車BMXの会場

 

競技の様子が外からそれなりに見えてしまう会場はここくらい。自転車BMXの会場はゆりかもめから丸見えである。改札を出た2階のフロアに人だかりができないように、改札前の競技会場側には東京2020の大きな横断幕が目隠しのために張られていた。

ところが“タダ見”を防げない場所があった。競技場近くにかかる有明北橋だ。外から競技が見られる!とあっという間に話題となり、人だかりができるようなったのだ。この日、競技はなくて人はいなかったが、橋の上に行ってみると確かに見える。すべて見えるわけではないけれど、ジャンプした瞬間なんかは見えそうで、その“チラ見”かえって観客の興奮をさそうのかもしれない。

右奥がスケートボードの会場。競技のあるときはこの橋に人だかりが

 

ご存知のように新競技のスケートボードは男子ストリートの堀米雄斗選手、女子ストリートで西矢椛選手、女子パークの四十住さくら選手が金メダルを獲得。合わせて金3、銀1、銅1の大活躍! しかもみんなめちゃめちゃ若い! そりゃあ元気のある若い人たちはちょっと無理してでも観戦したくなるよな~と妙に納得した。

さて、有明アーバンスポーツパークに別れを告げた私たちは再びゆりかもめに乗って今度は東京ビッグサイトで下車。モノレールの中からメディアセンターが見えたので顔を出すことにした。だれか知っている人はいるかな? そんなことを考えながら歩き回ってみたのだが、そもそも日本のメディアをほとんど見かけない。みんなどこかへ取材に出ているのだろう。そもそも自国開催の今回、日本のメディアはここを使わず、自社で仕事をしているのかもしれない。そのあたり、いつか五輪取材をした記者に聞いてみよう。

こちらがメディアセンター。世界のメディアの取材拠点だ

 

さあ、次は本日最後の目的地、夢の大橋である。ここに聖火が灯された聖火台があり、自粛の呼びかけにもかかわらず連日、家族連れなどでにぎわっているとのこと。聖火台に近づいていくと、アルバイトスタッフが首からハンドマイクを提げ、「熱中症に気をつけましょう」とか、「聖火台の見学は自粛しましょう」という録音テープが流されていた。

炎天下にも聖火はメラメラと燃えていた

さらに近づいていくと「混雑」というほどではないけれど、そこそこの人出といった印象。みんな静かに写真撮影をして長居をせずに去っていくのだが、けっこうな数のスタッフが「見学は自粛してください」というボードを首から提げたり、「密にならないように」と呼びかけたり、何とも微妙なムードである。

聖火はメラメラと燃えていた

 

この炎天下の中、仕事とはいえ他人を注意し続けるのは大いにストレスがたまることだろう。言うことを聞かない人も多いだろうし、中には「うるせーな、ちょっと見てるだけじゃねーか!」と文句をたれる人いるのではないか。だったら公開しなければ?というツッコミも。う~ん、何か今回のオリンピックのチグハグぶりを感じさせる夢の大橋だった。

さあ、そろそろ散歩を切り上げることにしよう。やはり暑さが影響したのか。私と近藤カメラマンはそろそろ限界。青海駅からゆりかもめにのり、最後はモノレールの中からベイゾーンの競技場を眺めることにした。

ゆりかもめから撮影した青海アーバンスポーツパーク

 

青海駅で乗車して最初に目に入るのが青海アーバンスポーツパーク。前半はバスケットボールの3X3、後半スポーツクライミングが行われた。さらに進んでいくと、パラリンピアンの練習拠点として整備されたパラスポーツ専用体育館「日本財団パラアリーナ」が眼下に現れ、続いては潮風公園に仮設されたビーチバレー会場が登場する。

そのままフジテレビの横を通り過ぎ、最後にトライアスロン、マラソンスイミングの会場となったお台場海浜公園の仮設スタンドをチラリと目にし、私たちはようやくベイゾーンを後にしたのである。

この日の歩数は1万5476歩。そういえば去年、近藤カメラマンと「夏の間、さすがにしぶさんぽは無理ですね」と話していたことをようやく思い出した。来年、真夏は避けようと心に誓ったのだった。

おわり

2021年8月公開

New Arrival

すべて見る
Non Fiction
高須力

SPOALカメラマン

高須力

失意のアジアカップから2ヶ月弱。森保JAPANが挑んだのは、ワールドカップ北中米大会をかけた北朝鮮代表との一戦です。髙須カメラマンが撮影したサムライブルーの戦いをご覧ください。

記事を読む
Non Fiction
高須力

SPOALカメラマン

高須力

失意のアジアカップから2ヶ月弱。森保JAPANが挑んだのは、ワールドカップ北中米大会をかけた北朝鮮代表との一戦です。髙須カメラマンが撮影したサムライブルーの戦いをご覧ください。

記事を読む
Non Fiction
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「Viaje con pro wrestling NOAH」好評連載第12弾!2024.03.17 横浜武道館で行われた「GREAT VOYAGE 2024 in YOKOHAMA」の模様をお届け!2024年3月公開

記事を読む
Business
二宮寿朗

SPOAL編集長

二宮寿朗

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

ボクサーを育てていくボクシングジムって一体どんなところなの? 意外に知られているようで知られていないジムの経営。大変だけど、浪漫を持って。その魅力をセレスボクシングスポーツジム、小林昭司の生き様を通じて見ていきたい。4年前に公開した記事を再編集してお届けする。小林は現在、日本プロボクシング協会、東日本ボクシング協会会長を務め、日本ボクシング界の先頭に立つリーダーでもある。 2024年3月再公開

記事を読む
Non Fiction
高須力

SPOALカメラマン

高須力

5ヶ月後に迫ったパリ五輪の出場権をかけた北朝鮮との一戦に臨んだなでしこJAPAN。ホーム&アウェイで争われたこの試合のファーストレグはスコアレスドローに終わり、国立競技場で迎えたセカンドレグは勝った方がパリ行きとなる大一番となりました。髙須カメラマンが撮影したなでしこたちの戦いをご覧ください。

記事を読む
Non Fiction
高須力

SPOALカメラマン

高須力

5ヶ月後に迫ったパリ五輪の出場権をかけた北朝鮮との一戦に臨んだなでしこJAPAN。ホーム&アウェイで争われたこの試合のファーストレグはスコアレスドローに終わり、国立競技場で迎えたセカンドレグは勝った方がパリ行きとなる大一番となりました。髙須カメラマンが撮影したなでしこたちの戦いをご覧ください。

記事を読む
Non Fiction
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「Viaje con pro wrestling NOAH」好評連載第11弾!2024.2.23 後楽園ホールで行われた「STAR NAVIGATION 2024」の模様をお届けします!2024年3月公開

記事を読む
Non Fiction
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「MONSTER BOX」に続くボクシングフォトギャラリー「Road to the RING」vol.03はWBA世界バンタム級タイトルマッチをお届け!2024年3月公開

記事を読む
Non Fiction
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「MONSTER BOX」に続くボクシングフォトギャラリー「Road to the RING」vol.02はWBC世界バンタム級タイトルマッチをお届け!2024年3月公開

記事を読む
Non Fiction
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「MONSTER BOX」に続くボクシングフォトギャラリー「Road to the RING」がスタート!第一章は2024.02.24両国国技館でのトリプル世界戦の模様をお届け!2024年3月公開

記事を読む
Prev
Next

同じジャンルのコンテンツ

高須力

SPOALカメラマン

高須力

3大会ぶりの優勝が期待されたアジアカップに挑んだサムライブルーが直面したのはアジアと世界のギャップでした。髙須カメラマンが撮影した準々決勝のイラン戦の写真をご覧ください。

高須力

SPOALカメラマン

高須力

記事を読む
高須力

SPOALカメラマン

高須力

3大会ぶりの優勝が期待されたアジアカップに挑んだサムライブルーが直面したのはアジアと世界のギャップでした。髙須カメラマンが撮影した決勝トーナメント1回戦バーレーン戦の写真をご覧ください。

高須力

SPOALカメラマン

高須力

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

全世界待望のスポーツイベント、NFLスーパーボウルがいよいよ2月11日(現地時間)に開催されます。今回のマニアックモノガタリはそのスーパーボウルを5度制覇した「サンフランシスコ・49ers」をご紹介。さあマニアックの扉を開きましょう。

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

マニアックモノガタリ、アメリカンフットボール編第2弾。今回の舞台は鉄鋼の街として有名なペンシルベニア州ピッツバーグ。さあマニアックの扉を開きましょう!2023年12月公開。

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森でホッケーの聖地を訪れ、そのあとはいざ平和島へ。ギャンブルにどっぷり(?)浸かったあとはただただ歩き続ける。大井・平和島かいわいのスポーツ施設の充実ぶりに目を見張った。

渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

寒さが身にしみ始めた11月下旬、しぶさんぽSeason16の舞台に選んだのは大井・平和島。大井といえば大井競馬場が真っ先に思い浮かぶが、足を運んでみるとほかにもスポーツとの出会いがたくさんあった――。

渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
二宮寿朗

SPOAL編集長

二宮寿朗

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「エンタメ大百科」×「マニアックモノガタリ」第3弾のテーマは映画「クールランニング」です。ジャマイカのボブスレー代表が1988年カルガリー冬季オリンピックに出場した出来事をベースに、彼らの起こした奇跡をコメディタッチで描いた作品。マニアック男・近藤と、私、二宮が再び熱く語り合います!※一部ネタバレを含みますのでご注意ください! 2023年11月再公開

二宮寿朗

SPOAL編集長

二宮寿朗

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

マニアックモノガタリ、アメリカンフットボール編の舞台はテキサス州ヒューストン。時の波間に消えたあるチームを、テキサス州の歴史と共にご紹介。さあマニアックの扉を開きましょう。2023年10月公開

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
二宮寿朗

SPOAL編集長

二宮寿朗

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「エンタメ大百科」×「マニアックモノガタリ」のコラボレーション第2弾は、映画「キャノンボール」。40年前のカーアクション映画を熱く語り合います!※一部ネタバレを含みますのでご注意ください! 2023年10月再公開

二宮寿朗

SPOAL編集長

二宮寿朗

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
二宮寿朗

SPOAL編集長

二宮寿朗

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

SPOALの企画「エンタメ大百科」と「マニアックモノガタリ」のコラボ。テーマは映画ロッキーシリーズ。モノではありませんが、この作品を心の大切な宝モノにしている近藤俊哉と私、二宮寿朗がエイドリアーン!とロッキー愛を叫びながら、語り合います!※ネタバレを含みますのでご注意ください! 2023年10月再公開

二宮寿朗

SPOAL編集長

二宮寿朗

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
石井邦良

SPOALディレクター

石井邦良

SPOALディレクターの石井が発信するeSports情報。今回は現在のeSports大会などを紹介していこう。

石井邦良

SPOALディレクター

石井邦良

記事を読む
石井邦良

SPOALディレクター

石井邦良

SPOALディレクターの石井はF1以外にも趣味がある。それはゲーム。ゲーマー自身から見たeSportsの発展と展望を語っていきたい。

石井邦良

SPOALディレクター

石井邦良

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

粘着テープじゃないけれど、カセットテープにビデオテープ。あれ?テープってもしかして過去の物?いえいえ、パーマセルテープは違います。生涯現役、永遠の先発ローテーション。今回はより細かい使用方法や、緊急事態での対処方法もご紹介!またまたマニアックの扉を開きましょう。2023年4月公開

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

好評連載「マニアックモノガタリ」今回は写真、映像業界なら誰でも知っている『粘着テープ』にスポットライトを当ててみたいと思います。裏方中の裏方。キングオブ小道具。その便利さに誰も異議を唱える人はいないかと。さあ、マニアックの扉を開きましょう!2023年4月公開

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

国民栄誉賞にも輝いた登山家にして冒険家、植村直己さんの冒険舘をあとにしたSPOALの渋谷淳と近藤俊哉は進路をいざ北に取った。次なる目的地はトップアスリートが汗を流す味の素ナショナルトレーニングセンターだ――。

渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

国民栄誉賞にも輝いた登山家にして冒険家、植村直己さんの冒険舘をあとにしたSPOALの渋谷淳と近藤俊哉は進路をいざ北に取った。次なる目的地はトップアスリートが汗を流す味の素ナショナルトレーニングセンターだ――。

渋谷淳

SPOAL編集者

渋谷淳

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

今年はイーグルスvsチーフス!そうです、第57回スーパーボウルが迫ってきました。今回のマニアックモノガタリは、NFLのトップを決める戦いを都市伝説と共に!さあ、マニアックの扉を開きましょう。2023年2月公開

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

「リフレッシュしていますか?」日々の戦いに疲れた企業戦士。そんな彼らの休日の過ごし方ではなく、充電池についてのお話。カメラマンのこだわりギアシリーズ第二弾。カメラだけでなく日々の生活でもお世話になりっぱなしの「電池」について。2023年1月公開。

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

今年最後のマニアックモノガタリ 。カメラマン近藤の妄想100%全開!「もしもガンダムに出てくるモビルスーツでサッカーチームを作ってみたら」マニア度高めの後編をお届けいたします。さあ、マニアックの扉を開きましょう。

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む
近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

カタールW杯、日本代表の予想外の快進撃に寝不足の方も多かったのではないのでしょうか?決勝トーナメントもいよいよ大詰めの中、日本アニメ界が世界に誇るこんな代表チームはいかがでしょうか?さあ、マニアックの扉を開きましょう。

近藤俊哉

SPOALカメラマン

近藤俊哉

記事を読む