大型補強で日本リーグ2年目を迎えるジークスター東京
――ジークスター東京として2年目のシーズンが間もなく始まります。東長濱秀希選手は新キャプテンとして2021-22シーズンを迎えることになりました。
「そうですね。そこはあまり意識していないんですけど」
――キャプテンに就任した経緯を教えてください。
「昨シーズンは新加入だった自分と信太弘樹、甲斐昭人のプロ3人が試合では中心的な役割を担いました。今季はさらに新しい仲間も加わって、やっぱり昨シーズンからチームにいる自分たち3人が引っ張っていかなくちゃいけないということで自分がキャプテン、信太と甲斐が副キャプテンということになりました」
――今シーズンのジークスターは大型補強で注目されています。このメンバーで戦うことになるとは思っていましたか?
「最初は去年のメンバーを中心にするのかなと思っていましたが、チームとして積極的に補強をして優勝を目指す方針になりました。これだけのメンバーが集まったことは素直にうれしいですね」
――勝たなくちゃいけないというプレッシャーは?
「それはないです。そもそも昨シーズンだって自分と信太、甲斐がプロ選手として加入して、『プロ契約の自分たちが入った以上成績を残さないといけない』という責任感がありましたから」
――今シーズンが始まるにあたってキャプテンとしてみんなに伝えたことは?
「チームが優勝しようという意気込みでこれだけのメンバーをそろえてくれたことを踏まえ、自分も優勝するチャンスがあると思うし、その期待にこたえようという話をしました。もちろんリーグ戦はそんなに甘くないということも伝えました」
――大型補強によってどのチームもジークスターをターゲットにしてくるのではないでしょうか? SNSでも話題になっているようですが。
「みんなうちだけには負けたくないと思ってるんじゃないですか(笑)。いや、冗談は抜きにして話題といってもそれほどでもないと思うんですよ。それにどのチームも敵は1チームだけじゃないですから。うちだってどこかこれという1チームに勝てばいいわけではないですし。狙われているとかはそんなに意識してないですね」
前列左から新加入の小室、土井、東江、小山。後列右が東長濱主将
――他チームから新たに東江雄斗、土井レミイ杏利、小室大地、橋本昭雄、小山哲也の5選手が加入。大学生の新人も入りました。今回の補強をどのように感じていますか?
「よく考えたいい補強だと思っています。東江、小山は中心選手としてゲームメークができる。小室と橋本はピボットで、ジークスターはセンターのディフェンスが弱かったのでそれに対応した補強です。この2人が入ったのは大きいですね。土井は左サイドの選手としての実力はもちろんですけど、発信していくというチームの方針をより強化する存在です」
――確かに土井選手はTikTokやインスタグラムのフォロワー数が多く、ハンドボール選手ナンバーワンの発信力を持っていますね。
「そうですね。他のチームがやらないことをやっていこうというのもジークスターなので」
――昨シーズンは生え抜きのメンバーとプロ3選手との間に溝ができるというか、みんながプロ選手を前に萎縮してしまうような時期も経験しました。今シーズンはいかがでしょうか?
「昨シーズンは確かにそういう部分がありました。もう少し早く対処すればよかったという思いはありますけど…。ただ、今シーズンは問題ないと思ってます。昨シーズンからのメンバーも日本リーグを1シーズン戦いましたし、また新たな覚悟で今シーズンに臨む準備ができています。新加入選手も自分たちから馴染もうとしてくれていて雰囲気はすごくいいですよ」
――いずれにしても昨年とは大きくチームが変わります。ジークスターのハンドボールは昨年と大きく変わってくるでしょうか?
「横地監督がどう考えるかによりますけど、変わるところはもちろんあると思います。これまで基礎体力作りなどをして、東江と土井の日本代表組も合流してこれから試合に向けた実戦練習に入っていくところです(インタビューは8月中旬)。コンビネーションだったり、自分たちに合っている戦術だったりは、リーグ戦が開幕してからもしばらくは模索が続くと思います」
――やはりチームワーク、コンビネーションを確立するまでには時間がかかるということですか?
「それはあると思います。ただ、加入してきたメンバーもみんな知らないわけじゃないんですよ。自分が所属していた大崎電気時代のチームメイトもいますし、代表で一緒にプレーしていた選手もいますし。東江なんかは彼が5歳くらいのときから知ってますから」
――そうですか、同じ沖縄で同郷でもあるんですね。
「だからキャラクターとかプレースタイルとかは分かっています。もちろんこれが一つのチームとして一緒にやるとなると戦術もありますし、いろいろ擦り合わせなくちゃいけない部分が出てきます。そのあたりは実戦を積み重ねる必要がありますね」
昨シーズンはけがで数試合を欠場。左ひざにサポーターをしているのが東長濱
昨シーズンとは何が変わる?
――昨シーズンの東長濱選手はけがで戦線離脱し、そこからチームが苦しむことになりました。昨シーズンを少し振り返ってもらえますか?
「そうですね、けがしたというのが一番良くなかったですね。欠場したのは4試合くらいだったと思いますけど、チームには迷惑をかけました。今シーズンは『けがをしない』が最初の目標ですね」
――大崎電気という常勝チームから新興チームのジークスターに移籍したという意味ではいかがでしたか?
「大崎の場合は優勝争いをするのが当たり前でしたから、ジークスターで新しいシーズンを迎えるのは不安な気持ちも正直ありました。だから2試合目で初勝利を飾ったときは素直にうれしかったですね。あとはプレータイムが長くなったのも大きな変化でした。大崎のときは2チーム作れるくらいのメンバーがそろっていたのでいくらでも交代ができましたけど、ジークスターではほとんど出ずっぱりになったので」
――なるほど、そのあたりも今シーズンは変わってくるかもしれませんね。後半はもう少し個人的なところを教えていただこうと思います。
2021年8月公開