最終話では、白黒以外のカラーリングを紹介していきたいと思います。今年もやっぱりリリースの多かったナイキのダンクから、4モデルをピックアップ!
CARPET COMPANY × NIKE SB DUNK HIGH PRO QS
鮮やかなライトブルーが印象的な一足。
今のスニーカーシーンを牽引していると言っても過言ではない、NIKE SBのダンクです。とにかくその勢いはとどまることを知らず、コラボレーションだけでなくインラインモデルまでもリリース日に即完売が当たり前になってきました。
今回のモデルは、アメリカ・ボルチモアのスケートブランドである「CARPET COMPANY(カーペットカンパニー)」が手掛けたモデルです。このカーペットカンパニーは、”AYMAN”と”OSAMA”というアラブ人の兄弟がディレクターを務めており、本作は彼らのキャリアやバックボーンがしっかりと反映されているのが特徴。
見惚れてしまいそうなライトブルー配色のオーバレイ部分は、一見ホログラフィックですが剥がすと黄色いベースが出てきます。また、シューレースやミッドソール・シュータンは今流行りのセイルカラーでまとめられていて、少しヴィンテージっぽさもありますね。スケートシューズながらアラビアンテイストが随所に散りばめられており、スケートで履いて汚してしまうのがもったいなくなるほどのデザインです。
NIKE DUNK LOW RETRO “CHAMPIONSHIP RED”
青のお次は、真っ赤な一足をご紹介。
こちらは7月に発売された、NIKE SBではなくNIKEから発売されたダンクです。
もとは1985年に「NCAA(全米大学スポーツ協会)」の男子バスケットボールリーグ向けに開発されたバスケットシューズであるこの「ダンク」。シンプルなトーンで大学のチームカラーが配されたのが、初めてリリースされたオリジナル版でした。今回発売されたのは、そのうちの一校であるニューヨークのセントジョーンズ大学(白赤)のモデルの白赤反転バージョン。
写真の奥がオリジナルのセントジョーンズで、手前が今回発売されたリバースモデルです。こうして交互に履くとアシンメトリー感が合って楽しいですね。実は1999年に日本が企画元となって『裏ダンク』と呼ばれた反転カラーバージョンのダンクが人気を博していました。そうした背景もあって、今回リリースされたこのモデルは当時の熱狂を少し思い出すことのできるものだったのです。まさに「ありそうでなかった」色ということで、非常に売れた一足でもありました。
PARRA×NIKE SB DUNK LOW PRO
続いては、2021年ならではの一足をご紹介します。
こちらは、東京オリンピックシーズンに合わせてリリースされたもの。各国のスケートボード代表選手が着用するフェデレーションキットをNIKE SBと共同で制作したオランダ生まれのアーティスト、PIETER Parra JANSSEN(ピーター・パラ・ヤンセン)がデザインしています。
両者のパートナーシップの歴史は深く、実は今から16年以上も前から続いています。実は今回のこのモデル、本来は世の中に出るはずのないものだったと言われています。実は当初オリンピックでの提供はアパレルのみだったのですが、コロナの影響で開催が延期になったことで制作期間も1年ほど伸びました。それにより、アパレルだけではなくスニーカーのリリースが実現したのだそうです。
「PARRA」のシンボルともいえる特徴的なグラフィックがオーバーレイ部分にふんだんに使われています。そしてそんな印象を引き立たせるかのように、アンダーレイやミッドソール部分にはセイル系のカラーが配されており、非常にバランスの良い一足に仕上がっています。スケートボード競技での日本選手の活躍は皆様の記憶にもしっかり残っているのではないでしょうか?そんな貴重なモーメントに合わせてリリースされた本作、今後の価値高騰は間違いなしですので気になったからはぜひお早めにゲットしてみてくださいね!
UNDEFEATED×NIKE DUNK LOW SP “DUNK VS AF-1 PACK”
最後にご紹介するのは、第一話で紹介したナイキとアンディフィーテッドのコラボレーション3部作のうちの一足です。ブルー×パープルという非常にビビッドな配色が印象的ですね。
これもまたコラボレーションならではの意匠が込められており、アンディフィーテッドの設立者でもあるEDDIE CRUZ(エディ・クルーズ)が2009年にデザインした”EAST VS WEST PACK”というシリーズからのインスパイアモデルです。
ただでさえ配色がすごいのに、なんとつま先とアイステイのブルーはスネークスキンとなっています。そしてサイドのパープルはキャンバス地、さらにスウッシュロゴはホワイトのスウェード・とにかくカラーも素材もとことんミックスされております。こういうモデルが生み出されるところにコラボレーションの意義があるんだなと、改めて感じることができる2021年を代表する一足でした。鮮やかですが決して合わせづらいということもなく、単色コーディネートのアクセントとして万能に活躍してくれるのも魅力ですね。
黒や白といったカラーはもちろんですが、このように様々なカラーもまたスニーカーの魅力ですね。手持ちの服・自分の好みなどいろんな要素を踏まえながら、ぜひ皆様の意中の一足が見つかればいいなと思います。
やっぱりスニーカーは、最高です!
(おわり)
2021年10月公開