東長濱秀希 7mスローの日本リーグ記録が射程圏内!
――そもそもの話をさせてください。昨シーズンは強豪の大崎電気から新規参入のジークスター東京に移籍して1年目の日本ハンドボールリーグでした。結果は11チーム中7位ということで、東長濱選手もいろいろと苦労したと思います。環境面や成績を含めて苦労することは予想できたと思うのですが、にもかかわらずジークスター東京に移籍した理由をあらためて教えてくれませんか?
「迷ったところはありました。まずは移籍しようという考えがあって、たとえばあのとき琉球コラソンの監督を兄(東長濱秀作=2021年3月31日で契約満了)がやっていたので琉球に行くということも考えました」
――まずは移籍ですか?
「2019-20シーズンは大崎電気で4冠(全日本社会人選手権、国体、日本リーグ、日本ハンドボール選手権)を達成しましたし、ひと区切りというか、何か新しい環境でハンドボールをやりたいという思いがありました」
――東長濱選手が大崎電気で「やり切った」という気持ちになるのは変わるような気がします。日本リーグは10シーズンで優勝が5回。ベストセブン賞6回、7mスロー得点賞4回。これだけ賞を取って、日本代表でも活躍したとなったら「このチームであと何をすればいいんだろう?」という気持ちになるのは分かるような気がします。
「大崎電気で気持ち良くハンドボールはできていたんですけど、それ以上に新しい環境を求めたいという気持ちは強かったですね。その中でジークスター東京は魅力的なチームに思えました。やっぱりジークスターが新しいクラブチームとしてハンドボール界を変えていこう、という姿勢を打ち出しているのは大きかったですね」
――そういう思いは若いころからありましたか? ハンドボールをもっとメジャーにしたいといいますか。
「いや、若いころは自分のプレーのことだけしか考えてませんでしたけど、30歳くらいになってもっとハンドボールの魅力を伝えようとか、そういうことも考えるようにもなりましたね。移籍自体もハンドボール界では少なくて、そういう意味で移籍すること自体にも意味があるのかなと思いました」
――東長濱選手は大崎電気のときからプロ契約だったと聞いていますが、プロ選手としてもっとリーグの価値を高めたかったという思いもありましたか?
「大崎電気のときも4シーズン目からはプロ契約だったんですけど、最初はそこまで考えてなかったですね。やっぱりキャリアを重ねてそういうことも考えるようになったということです」
昨シーズンは通算800得点を達成
――さて、2021-22シーズンですが、チームの目標としてはプレーオフ進出、そして優勝ということだと思います。それ以外に東長濱選手の個人的な目標はありますか? たとえば昨シーズンは通算800得点を達成しました。
「たぶん7mスローの得点があと何点かで記録になると思うんですけど…」
――調べてみると…日本リーグの7mスローの通算得点記録は末岡政広さんの232点で東長濱選手は現在219点。あと13点でタイ、14点で記録更新なので十分に射程圏内に入っています。これはぜひ達成したいところですね!
「7mスローをだれが打つのかは決まっていないので、分からないところはありますけど狙っていきたいですね。せっかくなので」
狙うはプレーオフ進出、そして参入2シーズン目の優勝
――今季は日本代表クラスが何人も加入したことで東長濱選手のプレータイムに変化がでることもあると予想されます。そのあたりの影響はどう考えていますか?
「昨シーズンはどうしても出場時間が長くなるところがあったのは事実ですね。今年がどうなるのか、監督次第というところはありますけど、有力なメンバーが入ったことで目指すハンドボールに変化が出る可能性はあると思います」
――横地康介監督は新体制発表の記者会見で「これだけのメンバーをそろえたからといって勝てるほどリーグ戦は甘くない」と口にしていました。優勝するためのポイントは何だと考えていますか?
「甘くない、というのはその通りですね。リーグ戦を戦いながらチーム力を高めていきたいと思っています。相手も対策を練ってくるでしょうし、その中でリーグ戦を戦ってまずはしっかりプレーオフに進出したいです」
――そして目指すは優勝ですね。
「やっぱりそれが大きなモチベーションになっています。これまでの選手生活で優勝は経験していますけど、30歳を過ぎて移籍してやっぱり新しいチームで、新しいメンバーで優勝したいという気持ちは強いですね。もし優勝できれば大崎電気のときとはまたひと味違った喜びを味わえると思うんですよ。このメンバーで何とか優勝できるよう一丸となってプレーしたいと思っています。面白い試合は必ずできると思ってます。あとは12月に開催される日本ハンドボール選手権ですね。リーグ戦だけではなく、こちらも優勝を目指してがんばっていきたいと思っています」
――リーグ戦の開幕が楽しみになってきました。ありがとうございました。
おわり
2021年8月公開