「SPOALの本棚」企画が編集会議で決定した際、私は億劫でした。なぜなら私は本をたくさん読みません。そんなレパートリーが少ない私が最近読んだ本は河瀬誠さんの「戦略的思考 コンプリートブック」です。SPOALライター山手より薦められた本で、業務上で必要になるスキルだからと必死になって難しい本を読んだことが記憶に新しいのですが、他にどんな本を読んでいるんだろう、、、と記憶をたどるもGoogleAnalyticsだとかSEO対策だとか。ほぼ私の業務にしか関係のない本ばかり。
ですが、ここでそのような本を紹介してもスポーツとは何も関係がないので思い切って漫画を紹介したいと思っています。漫画だって立派な本です!最近流行っている「鬼滅の刃」「呪術廻戦」・・・・?いやいやちゃんとスポーツに関係のある漫画をご紹介します。
今回ご紹介するのは「Capeta(カペタ)」です。私と言えばF1。そうモータースポーツを題材とした漫画です。こちらの漫画ですがF1を頂点とする現代モータースポーツをどのようにF1まで駆け上がるか?を描いた作品であり、細かく書かれているなと感じられた作品でございました。
主人公の平勝平太(たいらかっぺいた)は幼少期にカートに魅せられ、初めてのカートマシン、初めて走ったコースで才能の片鱗を、、、と何もかもが初であるのに速く走れるというのは漫画のお決まりパターン。他のスポーツ漫画も才能の一部を初回から匂わせるのは常套手段だと思います。最初から全くもって弱い主人公を見たことはない。
そんな主人公が強いワンパターン漫画かと読み進めていたのですが、モータースポーツファンを唸らせる描写は「金」「政治」でした。
モータースポーツはなんと言っても「金」。お金がものを言うスポーツです。ドライバー自信がスポンサーを見つけてマシンに乗る。言い返せば、お金を持ち込んでマシンのシートを買う。こちらがこと細かく書かれていました。
事実、現アストンマーチンF1チーム(旧レーシングポイント)のマシンに乗るランス・ストロールは大富豪の息子。アストンマーチンF1チームのオーナーはランス・ストロールのお父さん。息子をF1で走らせる為にF1チームを買ったと揶揄されています。
それだけ、お金に対して厳しいモータースポーツの世界を「Capeta」は描いており、主人公がモータースポーツ学校に通う際に受けた入学説明会で「マシンを壊せば自腹で500万円。その覚悟がなければ入学は許可できない」という描写も。こちらは私が聞いていた通りで、私の友人の親戚がSRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール)に入学したという話を思い出しました。SRS-Fは実在するレーシングスクールであり、あの佐藤琢磨などが所属したレーシングスクールです。公式授業料はなんと270万円。大学より高いですね。。。
もちろん、マシンを壊せば自腹。ガードレールを壊せばガードレールも自腹で修復しないとなりません。友人の親戚は必死でお金を集めたそうです。経営していたお店も売却したと聞きました。
何をするにしてもお金が掛かるスポーツ。それがモータースポーツ。
そちらの世界を細かく描いている「Capeta(カペタ)」を読んで是非、モータースポーツに興味を持っていただければと思い、ご紹介させていただきました。
おわり
2021年3月公開