二宮 いやあ、「Excite Matchを語ろう。」のタカさんの話はちょっとグッときたね。昔よりも今のほうが準備することが多くなっているって、凄くタメになるなって。
渋谷 いい仕事をするにはやっぱり準備が大切なんだってことなんだよ。
二宮 今、思い出したんだけど。
渋谷 ん? 何?
二宮 俺たちでボクシングの実況と解説やったことあったね。
渋谷 忘れてたの?
二宮 いやいやもちろん覚えているけど、タカさんの話を聞いて俺たちなりに準備したよなと、思い出しまして。
渋谷 元世界チャンピオン“神の左”の山中慎介さんがアンバサダーを務めた「GOD`S LEFT バンタム級トーナメント1回戦」(2019年7月23日、東京・後楽園ホール)ね。おそろいのTシャツきて、俺が解説、あなたが実況という立場で。ボクシングレイズでの配信でした。
二宮 まあ実況と言っても、アナウンサーっぽくやらなくていいということだったんで引き受けたんだけど、試合の展開で言えたのはパンチの種類とか、「効いた!」とかくらい。あとは渋谷さんに話を振ったり、それこそ読み込んできた情報を伝えたり。ただ、渋谷さんは悔しいかな、何だか慣れていたよね?
渋谷 実は意外と解説やったことあるの、俺。2016年には藤岡奈穂子選手と真道ゴー選手のWBO女子世界バンタム級タイトルマッチの解説も担当したのよ。CS放送のスカイAね。
二宮 まじ! 世界戦まで!
渋谷 だからあのときも楽しくやらせていただきました。
二宮 僕はめちゃくちゃ緊張しましたよ。パンチを見逃しちゃいけないって。
渋谷 原稿を書くとなるとメモを取るために一度目線を切っちゃうときがあるけど、解説はずっとリング上の戦いを見ていればいいからね。死角じゃなければ、大体どのパンチかは分かるし。
二宮 (尊敬の眼差し)
渋谷 ごめん、分からないときもある(笑)。
近い将来、髙柳さんと渋谷さんの〝共演〟も見てみたい!?
二宮 解説のときに気をつけていることはある?
渋谷 選手へのリスペクトは忘れないようにしているね。別に俺はボクサーでもないから、たとえば戦い方を否定したりとか、そういうことは口にしないように気をつけているかな。あとは実況の人から聞かれても、分からなくて答えられないことだってあるのよ。
二宮 まあそうだよね。すべての情報を持っているわけじゃないし。
渋谷 そういうのもあって聞かれる前に、自分から先にしゃべる、知っている情報を出すっていうのは一つ学んだことかな。
二宮 確かに聞かれるまで待っていると、出すタイミングをなくす可能性あるもんね。
渋谷 逆にそのコメントから、実況の人も違う情報を入れたりしてうまく回っていくことってよくあるから。
二宮 出場選手のこれまでの試合って事前にチェックしているの?
渋谷 世界タイトルマッチだとか、実績のある選手だと見ている試合なら頭に入っているよね。でも実績が乏しい選手になると、さすがに全員は難しい。だって相当な数のボクサーいるから。
二宮 「GOD`S LEFT バンタム級トーナメント1回戦」に出場したボクサーの試合は、僕は一度も生で見たことがなくて。それでも主催者の資料が非常に丁寧だったので助かった。出場選手のビデオインタビューまで入っていたから、困ったらその情報を出せば良かったからね。あとは関係者に話を聞いたりして、自分が取材した情報も入れ込んで。
渋谷 まあ俺たちにはそういう情報力を期待されての起用ということもあったのかな。
二宮 山中さんにも事前にちょっとお話を聞いたりしていたしね。途中から主催するボクシング興行会社DANGANの古澤将太社長が解説に加わってくれたのも助かった。
渋谷 古澤さんはプロモーターで本当にいろんな情報を持っているから。3人でガヤガヤ楽しく話した感じだったね。
二宮 じゃあ一応、評価されたってことでいいのでしょうか?
渋谷 それはどうだろう。だって、準決勝、決勝とお呼びが掛からなかったんだから!
二宮 お後がよろしいようで。
終わり
2021年2月公開