今回の『恋するスニーカー』、テーマはスケートボードシューズです。
えっ、スケボー?それスポーツなの?
と今思いましたか?もちろん、スポーツです。それもれっきとした。
実はスケートボードは東京オリンピックから正式競技として採用されています。車輪がついた板(デッキ)の上に乗り、ジャンプや回転などの技(トリック)に挑むというスケートボードの本質はそのままに、競技ではトリックの難易度や成功率、タイム、そして全体のトリック構成やオリジナリティーも合わせて総合的に評価されるというもの。冬季競技で言うと、スノーボードにちょっと似てますね!
オリンピックで行われる2種目のうち「ストリート」には、メダル獲得が期待される日本人選手がいます。それが、堀米雄斗選手。2019年に「ストリートリーグ・スケートボーディング」で優勝し、世界ランキング・ストリート部門2位として五輪出場を決めたスケードボード界のスター。
堀米選手、本当にかっこいい!
今や憧れのスケーターが”金メダル候補”と注目されるくらいに環境が変わりました。もう、れっきとした“スポーツ”と言っても驚く方はいないでしょう。
スケートボードとファッション
そんなスケートボードですが、種目名にもなってしまうくらいストリートとは切っても切れない関係です。特にスケーターファッションという言葉の通り、ファッションという文脈で語られることも多いですよね。
オーバーサイズのルーズなカジュアルスタイルで、Tシャツやフーディーにルーズなチノパンやデニムを合わせるのが、もっともベーシックなスケーターファッションです。スケートボードを楽しむためのファッションなので、飛びやすく動きやすいルーズなスタイルが特徴です。
こうしたスケーターファッションをストリートシーンの主役に押し上げた立役者として最も知られているのが、「Supreme(シュプリーム)」。1994年の創業から26年経った現在も世界のストリートファッションを牽引し続けるSupreme、実はスケーターファションブランドなのです。
1. Supremeはスケーターファッションブランドである。
2. Supremeは世界中で大人気。毎週大行列でみんな並んで買う。
3. Supremeのアイテムを着たたくさんの若者たちが街中に。
=スケーターファッションが世界のストリートの中心に
つまり、こんな式になります。
こうしてスケートボードは、ストリート×ファッションとの太く強いつながりを持つようになりました。
スケーターファッションが生んだ、新たな流行。
ストリートにおける大人気スタイルとしてのスケーターファッション、その右肩上がりの勢いは昨年の夏過ぎからもう1段ギアがあがりました。その要因こそが、スニーカーでした。
スケーターファッションに身を包むならば、足元もスケーター仕様に。
極めてシンプルな理由ですが、こうした意識によってスケーターシューズのニーズも必然的に高まりました。昨年から、スケボーブランドだけではなく、リーボック、アディダスなどの大手スポーツメーカーが数々のモデルをリリース。今年の2月には、なんとアシックスまでもこの領域に参入しました。
こうして世の中の人気とも相まって、昨今のスケートシューズは既存のスケーターブランドに加え数々のスポーツブランドが注力するようになりました。ところが、そうして盛り上がった市場も決して群雄割拠になることはありませんでした。頂点に君臨し続ける、最強の王者がいたのです。
それが、【NIKE SB(ナイキ エスビー)】でした。
NIKE SBとは「NIKE SKATE BOARD(ナイキ スケートボード)」の略称。ナイキが展開しているスケートボードラインです。ナイキは2002年にこのラインを立ち上げ、スケーターに適した機能性、そしてデザインに仕立てたモデルを数々リリースしました。そこから18年以上経った今は、NIKE SBからスニーカーがリリースされるたびにスニーカーショップではなく、スケートボードショップに行列が出来るほどに。ちなみに、冒頭で紹介した堀米雄斗選手もNIKE SBの契約プレーヤーです。
そんなNIKE SBを現在の絶対王者の地位に押し上げた、ひとつのモデルがあります。
それが、「DUNK LOW PRO SB(ダンク ロー プロ エスビー)」。
新作の即日完売は当たり前、オークションサイトでも続々と高値で取引され、原宿に行けば必ず履いている人に出会えるといっても過言ではない人気を誇ります。
この元デザインである【NIKE DUNK】というモデルは、1985年に発売されたバスケットボールシューズ。そのDUNKがスケートボード仕様になってNIKE SBからリリースされたのがこのモデルです。大きな違いは、「ZOOM AIR」と呼ばれる高反発なクッション性・衝撃吸収性能を持ったNIKE独自のテクノロジーがソールに搭載されている点です。また、写真でもわかるようにシュータン部分がクッションのように分厚い作りになっているため、とにかく履いたらフカフカです。
最強の機能性が併せ持った、デザイン性。
プロスケーター達が絶賛しこよなく愛した機能性ももちろんすごいのですが、このモデルを絶対王者に押し上げたのはそれだけではありません。そのシンプルかつ美しいデザイン、これもまた大きな要素でだったのです。
「ダンクは何と言ってもそのデザイン汎用性がすごいんですよ。あれだけシンプルでかっこいいデザインだからいろんなカラーリングで出ているし、いろんなコラボレーションもしています。NIKE SBが持つ最強の“キャンバス”みたいなものだから、世界中のデザイナーやスケーターがコラボしたくなる気持ちがわかります。僕もいつかコラボしてみたいなと思ってますよ。」
と話したのは、「NIKE ON AIR」日本代表で自身がデザインするスニーカーをナイキより発売した、スニーカー愛好家の宅万勇太氏。確かに、これまでにリリースされてきた何百種類ものデザインは、カラーリングがとにかく豊富です。そしてシュプリームやステューシーなど、実際にスケーターブランドと協業して作られたモデルもあります。つい数ヶ月前には、世界的ラッパーであるトラヴィス・スコットが手掛けたモデルも発売され大きな話題となりました。
スケーター御用達の機能性
シンプルで美しいデザイン
そこから派生したバリエーションの数々
バッシュだった既存のモデルに機能性を加え、2002年にスケートボードシューズとして生まれ変わったNIKE SBのDUNK。その18年間で、スケーター達を支え、ストリートファッションを支え、そしてスニーカー界を牽引する存在にまでなりました。そんな盛り上がりをきっかけにスニーカーから競技への興味を持った人も数多く、昨年から都内のスケボーパークの入場者も増加傾向だそうです。
ファッションからスポーツへ、スポーツからファッションへ。そんな素敵な架け橋を作っちゃうようなスニーカーと、恋に落ちてみませんか?
2020年6月公開
早稲田大学スポーツ科学部を卒業後、2011年、株式会社電通に入社。2016年に退社し、後に合同会社シーウォークを設立。PRプランナーとして大手飲料系・自動車系クライアントなどの業務に従事する傍ら、趣味のスニーカー・ファッションをとことん突き詰め、今はライター業やインスタ活動も仕事に。 P.S インスタ、よかったらフォローしてね!
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