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Numberを語ろう VOL.4

二宮 Tさんは確か1975年生まれですよね?

編集T そうです。

二宮 学生の頃というと、F-1ブームがあった時期と重なります。NBAや欧州サッカーを含め、Numberは海外スポーツを扱う特集も多かった。学生時代のTさんとNumberの関わり合いというのは?

編集T もちろん愛読していました。野茂(英雄)さんが1995年にドジャースに入ったときだったかな? 野茂さんの特集だったんですけど、そのときの文章も写真も凄く良くて、そこからMLBも見るようになって。まだ見ぬスポーツがかっこよく載っているのがNumber。NBAも欧州サッカーも、僕はNumberが入り口になりました。

二宮 どっぷりはまっていくわけですね。

編集T Numberに影響を受けて、学生時代にはアメリカに旅行してNBAを見たり、卒業旅行ではイタリアに行ってパルマ―フィオレンティーナとユベントス―ローマを観戦しました。ローマでプレーしていた中田英寿選手が目的だったんですけど、ユーベのホームだったので雰囲気が怖くて、露店でユーベのジャージーを買って着込みましたから。

二宮 かなりのスポーツ好きだったんですね。ほかのスポーツ雑誌も読んでいたんですか?

編集T いわゆる専門誌も読んでいました。ただ僕は分析とか試合のレポートというより、かっこいい文章というか、ロマンチックな感じが好きでした。だから自分の求めるものにNumberが合っていたんですね。

二宮 Number愛、メチャメチャありますね。

編集T 二宮さんもNumber愛読者だったわけでしょ。1972年生まれ?

二宮 そうそう。大学生の頃はずっと読んでいた気がしますね。学食でメシ食いながら見ていたし、中がスケスケに見えるプラスチックのカバンを使っていたから教科書じゃなくNumberを一番上に置いてましたね。今考えると恥ずかしい。

編集T おしゃれ(笑)。

二宮 あまりに好きすぎて、20歳のころに何度も投稿して。みんな記事の感想を書いているのに、自分だけコラムみたいなものを送って。今考えるともっと恥ずかしい(笑)。

編集T 掲載されたことあります?

二宮 一度だけ。景品としてNumberオリジナルのテレホンカードが送られてきて、ずっと宝物にしていましたよ。

編集T そんなサービスがあったんですね。驚き(笑)。

編集Tさんが担当する中村俊輔選手の不定期連載「サッカー覚書」のページ

二宮 Tさんは2000年に文藝春秋に入社されて、別冊のNumber PLUS編集部に配属されたんですよね。希望どおりだったのでは?

編集T うれしかったですよ。ただ、僕を含めて3人しかいない部署なので、右も左もまだよく分からないまま仕事をやっていかなきゃいけないような状況でした。先輩の1人がもの凄く怖い人で、もう1人は元柔道家なのであまり怒らせたくない。でも2人とも愛情を持って育ててくれました。

二宮 僕のなかには「開かれた体育会系」っていうイメージがNumber編集部にはありますね。

編集T 二宮さんはスポニチを辞めて編集部に入ったわけですけど、スポーツ新聞とはまた雰囲気違います?

二宮 まったく違うなと思ったのはデスクやその上の立場の意見が絶対ではないっていうこと。入社1、2年目の編集者が自分の意見をバンバン言っていて、デスクの考えに対しても「僕は違うんじゃないかなと思う」と反論していたのには驚きましたね。スポーツ新聞時代には考えられない(笑)。キャリアとか関係なく、いい提案なら受け入れる土壌があるというか。夜9時から早朝まで会議をやって結論が出ないこともあったけど、「二宮さんはどう思う?」ってよく聞いてもらっていましたよ。みんなで一緒につくっていく感じが僕は嫌いじゃなかったですね。

編集T 僕もそこは感じました。配属されて数カ月後に欧州サッカーPLUSがあって、そのもの凄く怖かった先輩が「お前は表紙どうしたらいいと思う」と意見を聞いてくれて。

二宮 Tさんは何と?

編集T ユベントスの記事を巻頭でやるつもりなら、デルピエロとジダンの2ショット写真が僕はいいと思います、と。そうしたらその先輩が「俺も2ショットは考えていなかったな」と真剣に検討してくれて、結局その案が通ってしまったんです。

二宮 凄い(笑)。

編集T 大物の2ショットを撮る大変さなんてまったく考えていなかったので、無責任な意見だったかもしれないですけど。

二宮 どのように実現したんですか?

編集T 交渉の過程までは知らないですけど、シーズン前のキャンプで2人の対談、撮影に許可が出て。合わせて時間は30分くらいだったと聞いています。

二宮 あれ? Tさんが立ち会ったわけじゃないの?

編集T そうなんです。急きょGOサインが出たんで、僕はまだ日本にいたので間に合わなくて。それでミラノでシェフチェンコのインタビューを担当することになっていたもう1人の先輩に、お願いする形になったんです。僕が逆にミラノに飛んで、シェフチェンコのほうに。

二宮 聞くところによると、その号はよく売れたらしいですね。伝説の表紙の一つと言っていいでしょう。

編集T おかげさまで増刷になって。デルピエロとジダンの2ショット写真も凄く評判が良かった。僕もNumberの一員になれたのかなって素直に思うことができましたね。

二宮 わずか1年で異動になって、Numberに戻ってきたのは2016年?

編集T そうです。。随分と空きました。

二宮 近年はNumberもNumber PLUS同じ部署。キャリアも積んで、デスクをする機会が多くなりましたよね。

編集T1年目で提案を通してもらってうれしかった経験は僕のなかで大きくて、ここに戻ってきてからもキャリア関係なく、みんなの意見を大切にしていきたいという思いがあります。もの凄く怖かった先輩は病気でお亡くなりになりましたけど、その先輩の思いも含めてNumber編集部の良き伝統というのは受け継いでいければいいなと思いながらやっています。

二宮 これからもかっこよくて、ロマンチックなNumberであってほしいと思います。

編集T ありがとうございます。

二宮 いずれメッシとC・ロナウドの独占2ショット表紙、見たいなあ(笑)。

編集T それは超ビッグ! 頭の片隅に置いておきましょう(笑)。

Numberを語ろう 終わり

2020年5月掲載

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