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マニアックモノガタリ マジックテープ VOL.2

パーマセルテープの魅力、伝わっておりますでしょうか?前回よりもマニアックな使い方をご紹介いたします!

お願いだからここに立って

普段の生活の中に「立ち位置」が記されることはないと思っていましたが、ソーシャルディスタンスの名の下に、お店のレジの前など、並ぶべき場所に順番待ちの線がひかれるようになりました。これらにはだいたい「養生テープ」が使われています。※「養生テープ」については後述します。

それとは別に、もしもカメラの前に立つ機会がありましたら、チラッとでいいので足下を見てください。おそらく、何かしらのテープが「T」の字に貼ってあると思います。その立ち位置は被写体を輝かせるための照明、背景のボケ味など、計算されつくされた完璧な場所として仕上がっています。恥ずかしくて、思わず後ろに下がったりしてしまう気持ちもわかりますが、裏方さんたちの努力の結晶の場なので是非、「T」の横線に爪先を合わせ、胸を張ってお立ちください。

「T」は立ち位置の「T」

 

動かざる事山の如し。

山に登って星空写真を撮ってみたいと思っている方もいらっしゃるかと。露出調整などは液晶なりに数値が出ると思いますが、オートフォーカスのピント合わせは、暗すぎてカメラが迷ってしまいますので、マニュアル合わせにすると思います。無限遠近くに合わせておけばいいのですが、微調整も必要なところ。一回バッチリ合わせたら、ここでもテープでとめちゃいましょう。

街中の暗さと山の暗さは濃さが全然違います。知らない間にピントリングが動いていたなんてミスはプロと言わずに避けたいところ。ガチガチに止める必要はありませんが、これも安心を買うということで。三脚を使用しての撮影ですので、手振れ補正はオフにして、そのスイッチも動かないようにテープでとめてしまうと、より安心です。

暗所ではわかりやすく「白パーマセル」で

 

忘れちゃいけない防水性。

スポーツ撮影のみならず、屋外での撮影で雨はやっぱり嫌なものです。カメラ、レンズともに専用のレインカバーはもちろん存在するのですが、バッグにいれたつもりが入ってなかった。そもそも天気予報を見てなかった。「俺が撮影中は雨は降らない」となんの根拠もない自信を持って現場に着いてから「しまった!」と思うことはカメラマンなら誰しもあるでしょう。

そんな時に重宝するのが、やはり黒パー。防水性も優れていますのでサッカーの試合時間ぐらいは余裕で耐えてくれます。黒パーだけで機材を覆うのは厳しいので、ビニール袋だけはご準備を。最悪コンビニ袋でもいいので、レンズ部分が出るように穴を開けて、隙間をテープでしっかりと補強すれば、簡易のレインカバーの出来上がりです。(超望遠レンズの場合はゴミ袋ぐらいの大きさがないと厳しいです。)見てくれはあまり良くありませんが、悪いのはレインカバーを忘れた自分。もし、カメラ剥き出しのまま撮影して故障した場合、誰が悪いってやはり自分。コンビニ袋も有料化なこのご時世、外の撮影が多めの方は黒パーと一緒に何枚かビニール袋も常備しておくのもおすすめです。

人もカメラも中身が大事

 

以上、撮影現場でいかにパーマセルテープの出番が多いことをお伝えしました。
最後に、写真のテクニックとは関係ない番外編を一つご紹介。

破けても大丈夫。

スーツを着用しての撮影は年に数回あるかないか。そんな知り合いカメラマンが「太っちゃったし、昔のスーツだからちょっときついんだよねー」なんて言いながら、しゃがんだ瞬間、お尻の部分が豪快に縦に裂けました。まだ撮影前に集合しただけなのに。パンツどころか太腿までも見えている状態。

見ているこっちは大爆笑なのですが、本人にとってはそれどころじゃありません。スーツを買いに行こうにもまだお店もやっていない時間帯。こんな時、黒パーマセルの出番です。裏からベタベタにパーマセルを貼ったところ、見た目全然気付きません。実際は動きづらかったそうですが、なんとか撮影終了まではもちました。

この場合のケース、実際はガムテープでも大丈夫と言えば大丈夫なのですが、パーマセルは持ち運びにも適したサイズなので、このような緊急事態にもアイデア次第で大活躍。

気になるお値段、どこで買えるの?

ネット上はもちろんですが、写真用品店などで1000円程度の価格で売られています。ただ、普通に考えたらテープでこの値段って高いですよね。その代わりといってはなんですが、近年は現場でも「養生テープ」の使用率が上がっております。緑色のテープよく見かけますよね。

元々、工事現場や梱包時に使われていたもので、ホームセンターや100円ショップ等でも販売されていますこちらもパーマセル同様、手でちぎれ、貼り直しが出来て、値段も手頃と三拍子揃ったアイテムです。

ガムテ、黒バー、養生。用途によって使い分け。

 

先輩カメラマンに言われた通り、とりあえずバッグに入れておけば、持ってて安心、使って安心。災害時にも役立つように「一家に一巻き」、パーマセルテープを常備しておくと心強いかと思います。

今回、紹介した使用方法だけでなく、「こんな事に使ってみたよ!」「この使い方合ってる?」等々、御意見どしどし編集部までお寄せください。お待ちしております!

マニアックモノガタリ 「粘着テープ」vol.02 終
2023年4月公開

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