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マニアックモノガタリ スーパーファミコン VOL.3

「日本にリュウという、かなりの腕前のファイターがいる」
皆さんご存知、映画「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」(2009年)からの一言。
こちらも人気格闘ゲーム、「ストリートファイターII」の実写版。“春麗”が主役のスピンオフ作品。謎の特訓を嫌々しているといつの間にか強くなっている、例の王道パターン。この映画の春麗役も可愛いのですが、なんとなくアジア人を配役して欲しいと思うのは自分だけでしょうか。
漫画やアニメから人気キャラクターが独立していくのが通常ですが、ゲームセンター発祥で大人気になったキャラクターはこの春麗が初めての例と言われています。

さて、今回の「マニアックモノガタリ 」ではスーパーファミコンとスポーツゲームについて語らせていただきました。

スーパーファミコンの歴史を振り返ってみて、当時はもうちょっとスポーツゲームが発売されていたと思ったのですが、やはり、ドラクエ、FFシリーズの人気は他を圧倒。発売本数、200万、300万本以上という結果が表すとおり、スポーツジャンルよりRPGやシミュレーションゲームが流行っていたのでしょう。競馬シミュレーションの草分け的存在『ダービースタリオンII』もここで大人気に。

ソフト一本の値段は1万円を軽く超え、小学生のお小遣いで何本も買うわけにはいかないし、大人としても本当に面白いかどうかを吟味して買う値段。そのせいか、ファミコン時代には多々あった、「なんでこれで企画会議が通ったの?」的なゲームはあまり見られませんでした。
また、良くも悪くもバブル景気の影響か、パチンコ、パチスロ、ギャンブルゲーム等、博打的ゲームも多かった印象です。公務員の主人公が恋人の父親に結婚を認めてもらうためにギャンブルで一攫千金を狙うという、振り切れた設定の『一発逆転 競馬 競輪 競艇』なんてものも。

せっかくなので、スポーツゲーム以外も含めて、マニアックなソフトを何本かご紹介します。

まずは1995年発売の『EMIT』。
イングリッシュドリームシリーズと銘打った英語学習ソフト。Vol.3まで発売されていて、サスペンスドラマ風のストーリーを進めていくうちに英語が学べるというもの。
なんと言っても製作陣が豪華。原作に赤川次郎、声優は林原めぐみ。主題歌は小室哲哉作曲に、歌は篠原涼子という布陣。よくこの組み合わせが当時実現したなと思います。

お次は、タイトルのインパクト大のソフトを2本。
まずは『美食戦隊 薔薇野郎』
改造人間である主人公“薔薇野郎”を操るアクションゲーム。敵を倒すと出現する食材を組み合わせて、ディナータイムと呼ばれるステージで料理を作り、体力の回復をはかるという不思議なシステム。現在、箱あり状態では6万円前後で取引されるプレミアソフトの一つです。「バカゲー」という新しいジャンルを構築したソフト。

そして、『超兄貴 爆裂乱闘編』
1992年、PCエンジンで発売された『超兄貴』。筋肉美を前面に押し出したシューティングゲーム。パッケージだけでも一度見たら忘れられないはず。カルト的人気を誇り、様々なハードに移植され、漫画や小説などのメディアミックスも展開。スーパーファミコン版では、そのマッチョな濃いキャラクターが暴れ回る、対戦格闘ゲームとして発売。

最後はスポーツソフトを一本紹介
『2020年スーパーベースボール』
近未来を舞台にした野球ゲームで、選手は皆、アーマーを着用してプレイ。実際のプロ野球もヘルメットがちょっと進化していたりと、安全面を向上すればするほど、アーマーの強度もあがっていき、このゲームの世界観に近づいていくのでしょうか。

グレーの本体にボタンだけがカラフルに。

 

現在、eスポーツ等で採用されているプレイステーションで人気の『ウイニングイレブン』シリーズ。その前身となる『実況ワールドサッカー PERFECT ELEVEN』はスーパーファミコンで発売されていました。
実は任天堂はソニーと共同で、スーパーファミコンにCD-ROMドライブをプラスした次世代機を開発しようという話があったのですが、ボタンのかけ違いで計画は中止に。その後、ソニーは独自開発した『プレイステーション』を発売し、任天堂としてはかなり水を開けられた結果となってしまいました。もし、共同開発のマシンが発売されていたら、ゲーム業界はもっと早い進化を遂げていたかもしれません。

さて、次回はどのゲームにスポットを当てましょうか。お楽しみに!

マニアックモノガタリ「スーパーなファミリーのコンピューター vol.03」 終
2022年11月月公開

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