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マニアックモノガタリ タイヤ交換 VOL.1

「フェラーリ・マジック」
「マクラーレン・イリュージョン」
知ってる!懐かしい!そう思った方、ようこそいらっしゃいました。
初めて聞くよ。という方、せめて名前だけでも覚えて帰っていってください。

時は「バブル景気」真っ盛りの80年代後半から90年代。フジテレビのF1全戦中継を皮切りに日本中にモータースポーツブームが巻き起こります。
高島礼子も吉岡美穂も、あの菜々緒だってレースクイーン出身者。もう一声と言われれば、室井佑月も忘れちゃいけない。

そのモータースポーツの中でも最高峰と言われている「Formura1」
セナvsプロストが熱かったあの頃。日本人としては1987年に中嶋悟が初参戦し、1990年の日本GPでは鈴木亜久里が日本人選手初の表彰台3位。ただ、このレースは1コーナーでセナ、プロスト両者がクラッシュしてしまったので、正直ファンとしてはもう一度スタートからやり直して欲しかった・・・。

当たり前ですがF1のほとんどは海外での試合なので、テレビ中継はだいたい夜中。
次の日に友達の会話に入れるように頑張って見ていましたが、睡魔に勝てなかった試合も数知れず。
当時(今でも)は専門的なエンジンの事や、チーム内外の政治的な事はわからなかったので、試合翌日の会話は「やっぱウイリアムズつえーなー」とか、「シケインで決めないと」などと、ザックリとした事しか言ってなかったような。
ちなみに、好きなドライバーは音の響きで「ゲルハルト・ベルガー」でした。

タイヤ好きなら一度はここへ!?

 

おいおい、これのどこがマニアックなんだよ。ただのF1(レースクイーン)の歴史じゃないか。という声が聞こえてきました。冒頭のセリフに戻りましょう。

F1には長い試合に耐え抜くために、燃料補給やタイヤ交換を行う「ピットイン」または「ピットストップ」と呼ばれているシステムがあります。当時の通常のレースであれば、ピットイン回数は1回か2回、よほどのトラブルで3回だったでしょうか。
ピットクルーは半袖、短パン、ノーヘルのオジサンたち。特にベネトンのド派手なカラーリングのチームユニフォームは印象的でした。

コーナーでの派手なバトルや、ストレートでの抜き差しに比べたら、ピットインなんて回数少ないし、地味だし。
そんなに見どころある?燃料補給って事は、マラソンでいう給水所?
いやいや、何故、地域の運動会からオリンピックまで盛り上がる競技がリレーなのか。
それは、リレー競技の醍醐味「バトンの受け渡し」にどんなドラマが待ち受けているかわからないから。
日本のリレーチームがオリンピックでメダルを取ったのも、このバトンパスが素晴らしかったと、皆さんも記憶に新しいかと思います。

たまにですね、ほんとたまにですけど、タイヤが一本、うまくはまらず時間がかかったり、最悪の場合、ピットをスタートしてからタイヤが外れるなんて事も実際あったりします。深夜のテレビの前で、一人「あーっ!」と声をあげたことか。筆者も人間ですので、心の奥底のどこかにハプニングを期待しているんですよね。

ハプニングなんて言葉はうちらの辞書には載ってねーぜ!と言うチームが、フェラーリとマクラーレンでした。
常にランキング上位であるこの2チーム。
走りもさることながら、ピットワークである燃料補給やタイヤ交換も冴え渡っています。
記憶が定かでないのですが、ピット作業を5秒(7秒?)切るのがフェラーリ・マジックだったような。
(正確な情報お持ちの方、是非編集部までご一報を!)

ルール変更で現在のピットインのメイン作業はタイヤ交換だけになってしまいました。
それはそれで、マニアとしては変わらずの萌えポイント。マジックや、イリュージョンと言っていた時代は遥か彼方。今はまさかの1秒台!
1秒ですよ1秒!「秒で終わる」って言葉はもしかしてここから来ているのですか?

一糸乱れずとはよく言ったもの。己の持ち場を淡々とこなし、2秒かからず作業を完遂。職人集団の芸術祭。
現在はフルフェイスのヘルメットと、分厚いつなぎを着てピット作業しているので表情は見えませんが、当時のピットクルー達のドヤ顔は今でも忘れられません。

次回は、自宅がピットに大変身!?
あるモノを交換しちゃいましょう。

第2話を見る

2022年9月公開

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