<CASE.1>
バルセロナの空の玄関はエルプラット空港です。空港から市内へ行くにはいくつか手段がありますが、リーズナブルで分かりやすい空港バスはとても便利です。しかし、スリにとって格好の釣場になっているのは空港バスが発着する停留所なのです。特に降車が多いスペイン広場とカタルーニャ広場は危険度MAX! ヤツらにかかれば、経験の浅い旅行者は鴨が葱を背負っている状態です。そして、便利な空港バスは鴨葱を大量輸送してくれるベルトコンベアみたいなものなのです。
僕も経験しましたが、バスで到着して最初に困るのは方向感覚です。バスを降りた次の瞬間、経験のない人ほどやってしまうことがあります。それは、、、、地図(今ならスマフォ)と周囲の景色を見比べてキョロキョロ。すると親切な人がすかさず声をかけてきてくれます。
「メイ・アイ・ヘルプ・ユー?(何かお困りですか?)」
声をかけてくる人は2種類です。1つはタクシーの運ちゃん。もう1つはスリ。スリは荷物がない方向から声をかけてきます。例えば、右側にスーツケースがあったとすると左側です。そして、会話に気を取られていると、右側から荷物を狙われて、気がつくと荷物がありません。慌てていると、先ほどまで話をしていた人が消えています。そう、親切にも声をかけてきてくれた人はスリの囮役だったのです。
少し前に僕の友人でバルセロナへ旅行に行く人が多く、話を聞くと3組中2組がここでスリの被害に遭っていました。ご注意を!
●対策
何があっても荷物から目と手を離すべからず。
<CASE.2>
少し高いですが空港からタクシーで宿へ向かうのはもっとも安全、、だと思っている方、注意が必要です。僕が遭った運転手はガタイが良く少し強面でした。そして、途中から右肘を肘置きに置いて姿勢を右寄りにして運転し始めました。これは僕からメーターが見えないようにするためのポーズです。
目的地に着き料金を支払います。メーターは見えないままで、メーターをみたとき料金は消えていました。ここで嫌な予感はしました。しかし、何度か泊まったことのあるホテルだったので相場は分かっています。疲れていたこともあり揉め事は回避したかったので、お釣りは諦めるつもりで少し多めに渡しました。すると運転手が「足りないぞ」と凄んできました。
同乗していた友人にトランクの中の荷物を死守するように伝えて、僕はホテルのフロントに直行しました。後を追いかけてきた運転手とフロントを交えて論戦が始まりました。
まず運転手がフロントにスペイン語で事情を説明しています。おそらく僕が料金を支払っていない、と言ったのだと思います。
フ「料金を支払っていないと言っていますが?」
僕「空港からここまでレートはいくらですか? 30€ですよね?」
フ「だいたいそのくらいです」
僕「すでに40€払った。彼は50€だと言う。高過ぎませんか?」
すると運転手は反論してきます。
フ「彼は20€しかもらっていないと言っています」
疲れていた僕はここでキレました。
僕「おい、ポケットの中身をみせてみろッ」
すると運転手は中身を見せることを拒否しました。ここまでのどさくさに紛れて彼がポケットの中にお金をいれるのを見ていたのです。運転手はあえなく退散していきました。
●対策
交渉するときは第三者を交えて行ないましょう。
<CASE.3>
これは友人と二人で街中を散策しているときの話です。インド系の男が地図をもって声をかけてきました。この瞬間、僕はヤバいと思って無視を決め込みましたが、友人が相手にしてしまいました。無視するように言いましたが、男も引き下がりません。
そうこうしているうちに私服警官を名乗る二人組が声をかけてきました。
警「お前らはこいつ(インド系の男)の友達か?」
僕「違う。知らない男だ」
警「嘘を付くな! 怪しいぞ!」
僕「お前が言うな!」
警「パスポートをみせろ!」
僕「警察バッチみせろ!」
明らかに観光客だと分かる人間に道を聞く人はいません。こういうときはだいたい悪巧みしていると思って間違いありません。
●対策
色々と因縁を付けられましたが、一切を断固拒否。間違ってもパスポートを見せてはいけません。毅然とした態度で臨みましょう。
続くッ
2020年9月公開