“しぶさんぽオフィシャルシューズ”SALOMONで東京の坂道を歩く!
原宿のatmos BLUE表賛同店で高性能スニーカー「SALOMON サロモン」の「XT-6」をゲットしたSPOAL渋谷はニューシューズを履いて早速街を歩き始めた。今回のテーマである「坂」を求め、迎賓館を左手に見ながら最初の坂である鮫河橋坂に進路を取った。
迎賓館から車通りに出ると、学習院初等科の正門にぶつかる。近藤カメラマンによると、ここは週刊誌のカメラマンを乗せた車がズラリと並び、それを警察車両が監視するという緊迫したシーンが何度も繰り返されてきた場所だという。
首都高とJRを超えていく坂、前方の橋が朝日橋
そんな話を聞きながら坂を下っていき、みなみもとまち公園の手前で右に折れると「おっ!」という雰囲気の狭い上り坂。JRと首都高速4号新宿線が雑草越しにチラリと見える。朝日橋という小さな橋を渡って住宅街に入っていくと道の細いなんどもディープな街並み。住所は新宿区若葉町だ。
少し下りながら歩を進めると鉄砲坂にぶつかった。坂名の由来は江戸時代、このあたりに鉄砲組屋敷や鉄砲訓練所、鉄砲鍛冶場があったからだと言われている。この坂を下り切ってこのT字路にぶつかるとここがこのコース最初の谷底。右に曲がり、すぐに左に折れて今度は戒行寺坂を上っていく。
道が複雑なため案内柱はありがたい
この日は天候がよく、少し汗ばんで息が軽く弾んできたが、肝心の足元は快調だ。足の甲をくるむようなフィット感が何とも心地よい。そういえばこのシューズ、サイドにレイヤーが入っていて足全体を易しく包む―とシューズを紹介してくれたatmosの南保光城さんに教わったことを思い出す。アウトソール(足裏)のボコボコも軽くつぼを押されているような感じがして気持ちいい。そういえば南保さん、「これがクセになるんですよ」と話していたっけ。
中年男が闇坂を全力坂!
さあ、散歩はまだまだ続きます。戒行寺を通り超してしばらく進むと左手に闇坂(くらやみざか)の案内柱が見えてきた。名前に惹かれて訪れた坂なのだが、その由来は左右の寺に樹木が茂って薄暗かったことなのだとか。現在は生い茂る樹木はなく、名残といえばお墓があるということくらい。坂の下には公園があり、公園が下部と上部の2段になっているのは傾斜のきつい土地柄ならではだ。
住宅が密集している闇坂周辺
「近藤さん、ここでダッシュしていいですか?」
「はい、分かりました」
今回の坂散歩はどこかで坂道ダッシュをしようと思っていた。坂道ダッシュは競技の垣根を越えて多くのスポーツ選手が取り入れているトレーニングの一つである。陸上男子100メートルで2017年、日本人選手として初めて10秒の壁を破る9秒98の記録をマークした桐生祥秀選手もYouTubeで【足が速くなる方法】桐生祥秀の坂ダッシュトレーニングを紹介しているのを発見した。
坂道を走ると聞いてテレビ朝日の深夜番組「全力坂」を思い出した人がいるかもしれない。これから売りだそうというアイドル、タレントたちが坂を駆け上がる姿に視聴者はなぜか惹かれる。きっと坂道は人を「走りたい」という気持ちにさせる力があるのだろう。
ちなみに「全力坂」で闇坂は何度か取り上げられている。No.552(2009年4月)の渡瀬加奈、No.1024(2011年10月)の小日向えり、No.1193(2017年11月)の佐藤絵里香、No.1500(2014年4月)の渕脇レイナ…ほかにもいるかもしれないけど、調べられたのはここまで。下の写真が私の全力坂です。
坂道をダッシュ! 近所迷惑にならぬよう静かに走ったつもりです
続いて向かったのは須坂神社の男坂、女坂だ。2017年に公開され、興行収入250億円をマークした長編アニメーション映画「君の名は。」に登場する舞台として知られている。景色が良くて映画でも描かれているのは男坂のほう。私たちが訪れたときも、何やら撮影をしているグループがいた。ちなみに「君の名は。」の初出は1952年のNHKラジオドラマで、翌年映画化された岸惠子主演の映画も大ヒットしたことは書き記しておこう。
こちらが有名な須坂神社男坂
さあ、男坂を下って再び谷底に下りた私たちは四谷三丁目に向かってゆるやかに坂を登っていった。新宿通りまで出ると、プロボクシングの元世界チャンピオン“ノックアウトダイナマイト”こと内山高志さんが開くボクシングジム「KOD LAB」の前に到着。聞けばなかなか多くの会員さんで賑わっているそうだ。今回はお邪魔せずに通り過ぎる。
居酒屋あぶさんは四谷三丁目交差点のすぐそば
四谷三丁目の交差点を渡ると野球好きなら知らぬものはいない居酒屋あぶさんの看板が目に入った。野球ファンに愛され、この地で35年にわたって店を開いているというからスポーツ居酒屋の老舗だ。店内にはスター選手のサインやユニフォームが所狭しと並んでいるらしい。いつかSPOALでもあぶさんで野球トークに花を咲かせるのも面白そうだ。
あぶさんを後にした私たちは新宿区荒木町方面に足を向けた。荒木町は小さなバーやスナックなどが並ぶ歴史ある繁華街だ。ほとんどの店が閉じている昼間の荒木町を抜けていくと、ここにも素敵な階段坂があり(名前はなさそう)、これが本日最後の坂と思って一歩一歩、階段を踏みしめながら上り切った。
荒木町を抜け出し、階段を上がって四ッ谷駅へ
ここからJR四ツ谷駅まではフラットな道となる。歩き終えて電車に乗って座席に座ると、私も近藤カメラマンも「足がジーン」という心地よい疲労に包まれた。本日の歩数は1万3521歩。過去のしぶさんぽに比べて決して多いわけではないけど、やはり坂道は足腰が鍛えられる。“しぶさんぽオフィシャルシューズ”としてデビューしたSALOMONも初仕事を終えて満足そうに見えた。
おわり
2021年10月公開