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Entertainment
SPOALの本棚 近藤編 VOL.5

「容疑者は大男、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」
皆さんご存知、映画「コマンドー」(1985年)から、吹替版の名セリフとしても有名な一言。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション映画。シュワちゃんの無双ぶりも有名ですが、吹替版のセリフもたびたびネットでお祭り騒ぎになります。
冒頭のセリフも普通に訳すと、「でかいだけのクソ野郎」となるところが、ここまでぶっ飛んでしまいます。

この映画「コマンドー」。筋肉業界からも熱い視線を受ける作品。もちろん皆さんご存知のボディービルダー出身のシュワちゃん。その存在は神に近いもの。そんなシュワちゃんの活きた筋肉、躍動する筋肉が拝めるのですから、見ない理由は見当たりません。
日本の映画館は、声を出すのはNGみたいな雰囲気があるのですが、近頃は応援上映という名のもとに、「ボヘミアン・ラプソディ」では観客席皆で歌いながら見ようというものもありました。
そんな中、このコロナ禍の中ではもはや伝説となりつつある企画「筋肉応援上映」というものがコロナ禍以前に行われました。この「コマンドー」を皆で見ながら、シュワちゃんの筋肉を褒めようという企画。
ちょっと素人にはついていけない世界になってきたでしょうか。

マッチョ、マッチャー、マッチェスト。

 

「筋肉の応援って何言ってんだ?」
「何を褒めるのかがわからない」
おっしゃるとおり、そんなあなたにおすすめの一冊がこちら。
「ボディビルのかけ声辞典」(スモール出版)です。
「マツコ&有吉 かりそめ天国」でも話題になったボディビル大会のかけ声を一冊にまとめた本。

かけ声だけでなく、ボディビルの歴史、大会の概要等の基礎知識も詳しく書かれておりますので入門編にはもってこいの一冊。
恥ずかしながらボディビルの歴史として知らなかったのは、映画「ターミネーター」の大ヒットにより、日本ではボディビルブームが巻き起こっていたんですね。
マニアック的な黒船来襲の歴史に刻んでおきましょう。
ペリー→ターミネーター→リア・ディゾン。

ちょっと本の中身に触れますと、ボディビル大会はとにかく舞台上の仲間の筋肉を褒めることが鉄則。
普通に「美しい」「カッコいい」でももちろんいいのですが、
「切れてる切れてる」(筋肉の盛り上がりによって、刃物で切ったかのようにスジが出来ること)など
独特なかけ声が飛び交います。

中でも上級編のかけ声として“例えかけ声”の章は必読。
「肩にちっちゃいジープのせてんのかい」
―肩や大胸筋上部が、4WDのゴツゴツとした車体のように盛り上がっていることを意味します―

(本文より抜粋)
この本には載っていないのですが、“例えかけ声”は「デカすぎて固定資産税かかりそうだな」や「スキニージーンズに謝れ」等々、多数ございます。

ここまでくるとボディビル関係なく高度な“例えツッコミ”状態ですが、是非マスターして普段の生活で使ってみてはいかがでしょうか?
職場の上司もこの方法で褒めてあげれば何かいいことがあるかもしれません。

最後にその世界では割と有名なボディビルジムを取材した時のお話。
私も柔道部時代にそれなりにマッチョだった時があり、(今は見る影もありませんが)当時は身体を褒められたものです。
そんな事もあったので「お兄さん、良い筋肉してるねー」なんて褒められても困るなーなど勝手な妄想をしていました。
ところが、当日アシスタントをお願いしたどちらかというとかなり細めの女性が、会長直々にものすごいスカウトにあっているではないですか!
入会金どころか、月謝もいらないから入ってくれと猛アピール。
素人の私から見るとマッチョには程遠い身体をしているので、「何で?」と思わずスカウト理由を聞いてみました。

会長曰く、
自分の指導の元、細い筋肉を一本一本太くしていき、自分の理想の身体に仕上げていく過程がたまらないんだとのこと。
元柔道部みたいな中途半端な身体は一番用がなかったみたいですね。

もし、痩せすぎを心配していて筋肉をつけたいと思っている方、ボディビルジムの前をウロウロしてみたら好条件のスカウトが待っているかも!?

2021年8月公開

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