マイスターによるカウンセリング、高性能足圧計による体の歪みや歩行状態の分析、そして特製パッドを装着して行う動作改善チェック。およそ30分の行程を経て、最後は足型採取を行います。
「うわ、気持ちいい。初めての感触です。」
と小室選手からは評価頂いた採取作業ですが、ここで取った型を元に我々はインソールを作成します。何度も動作チェックを経てベストポジションに装着された足裏のラバーパッドがしっかりと形状記憶され、これを自社の工房で職人たちが3Dスキャンの採削機を用いてひとつひとつ丁寧に作り上げるのです。
今回は日常歩行・トレーニング時の動作に合わせたパッド配置で作成していますが、一度ベースを作成すれば今後はカスタマイズすることも可能。例えばハンドボールでは、チームによってはフェイントを多用してくるので、ゲームごとに大事にしたい動きに応じたインソールを準備しておく、なんてことも実現できるのです。
こちらが実際に採取した小室選手の足型です。
通常は29.0cm〜29.5cmのシューズを履くとのことで、写真越しでもサイズ感の大きさが伝わってきますね。事前に測定したデータに加え採取した足型も保存するので、もちろん再生産も可能。長いシーズンの中で、何が起きてもすぐに準備することができるのも『mysole』の強みのひとつなのです。
そして最後に、完成時のデザイン仕様を選びます。
足との接地面の素材はスエードとメッシュから選ぶことが出来、カラーバリエーションも豊富に取り揃えています。インソールは決して人の目に触れるものではありませんが、少しでも自分のテンションが高まる仕様であるに越したことはありません。実際に作成されるアスリートの方々は自分のラッキーカラーやチームカラーをセレクトすることが多く、密かにこのバリエーションも我々のこだわりポイントのひとつなのです。
「じゃあ、黒にします」
小室選手が選んだのは、メッシュ地のブラックでした。これはジークスター東京のチームカラーでもあるので、きっとそんなことも意識されたのでしょう。
こうして、小室選手のインソール処方は無事終了しました。2週間ほどで完成するので、またそれを練習でおろす際には動作チェック・フィードバック収集を兼ねて我々もお伺いしようと思います。
「ラバー×スポーツ」の無限の可能性
競技の場において、インソールはとても重要な存在です。実際に試合でも着用するものなので、パフォーマンスへ大きな影響を及ぼします。
もちろんテクノロジーの進化によってシューズの性能も向上していきますが、それは決して搭載されているインソールの性能とは比例するものではありません。シューズの性能を更に引き上げていく役割、それはインソールが単体で担っていけると私は信じています。それを裏打ちしてくれるのが『mysole』を着用するアスリートの方々の活躍です。実際にこれを東京オリンピックの舞台で着用する選手もいるほどで、私達のプロダクトに大きな自信を与えてくれました。
そして何より、ラバーが活躍するのはインソールだけではありません。例えば選手のストレッチや体幹トレーニング用のラバーマット、オフコートでの移動時に足の負担を軽減するラバーサンダルなど、様々なシーンに適応したプロダクトをつくることができるのです。
最後にマイスター芋川と小室選手で一枚
日本ハンドボールリーグ参入初年度は7位という成績に終わり、今年はさらなる補強を経て飛躍を目指すジークスター東京。
ぼくは、このチームの力になりたい。
はじめはSPOALというメディアから、
そして今度は「buntaro®」というブランドから、
これはどうやら自分にしか出来ない形なのではないだろうか、と少しばかりのやりがいが芽生えてきました。
今日という日が、また新たな始まりになりますように。
いや、願う暇があったら動こう。それでこそ「奮闘記」なんだから。
RUBBER, LOVER おわり
2021年7月公開