私が充実した取材時間を過ごしていた一方で、同行していたSPOALディレクターの石井もまた様々な場所へ足を運んでいました。
彼とはもう10年弱の付き合いになります。
初めて出会ったのは社会人2年目の時で、私にとってはよき兄貴分のような存在でした。それが今となっては一緒に働くようになっているとは、人生はわからないものです。
F1の記事ですっかりお馴染みな彼ですが、実はニューヨークは大好きな街。今回はスポーツメディアのディレクターとしての知見を深めるべく、マンハッタン~ブルックリンを縦横無尽に駆け回ったようです。
「ちょっと怖かったよ…全然人いないんだもん」
そうボヤく石井から見せてもらった写真は・・・
ヤンキースタジアム!
そりゃそうだよ、今MLBはシーズンオフなんだから。と思いながらも、野球にあまり関心のない彼がひとりで足を運び、初めてのヤンキースタジアムの感動を楽しそうに話してくれたのはとても嬉しかったです。
本邦初公開(!?)、石井が全力で撮影した人気のないヤンキースタジアムの景色を一緒にお楽しみいただきましょう。
スタジアムへの通り
ベーブ・ルースがお出迎え
ちょっとだけ見えるグラウンド
確かに人気はありません
オフシーズンなスポーツがあれば、逆もまた然り。
2月というタイミングでMLBは残念ながらオフシーズンでしたが、アメリカ4大スポーツのひとつであるNBAはガッツリシーズン中です。日中にニューヨーク・ヤンキースのスタジアムへ足を運んだ石井のバトンを受け、私はNBAニューヨーク・ニックスのナイトゲームの会場である、マジソン・スクエア・ガーデンへと向かいました。
ニューヨーク・ニックスー
大都市ニューヨークを本拠地にもつ、NBAの中でも屈指の人気チーム。1998-1999シーズンにはプレーオフ第8シードからNBAファイナルまで進出し、その活躍は“ミラクル・ニックス”として讃えられました。
しかしながらそれ以降はすっかり低迷期から抜け出すことが出来ず、今シーズンも安定の下位走行。最大の明るいニュースは、ドラフト1巡目3位指名で入団したゴールデンルーキーRJ・バレットの活躍でした。
運良くチケットを手配できた今宵は、同じイースタン・カンファレンスのインディアナ・ペイサーズを迎えた一戦。下馬評ではかなり悲観的な声が多いのですが、会場へ続々と集まるニューヨーカー達のボルテージは高く大きな盛り上がりを見せています。
試合は序盤からペイサーズが優勢に進み、そのままフィニッシュ。残念ながら敗戦という結果に終わりましたが、会場のニックスファンたちは長らく続く低迷期に慣れているのか特に大きなブーイングも見せません。それでも試合の中で随所に見られたニックスの選手達の好プレーには拍手をしたり、指笛を鳴らしたりしていて、なんだか結果が出なくても頑張る子どもを応援し続ける親のようでした。がんばれ、ニックス。
この記事を書いている2021年現在に改めて当時の写真を見ると、たった一年前なのにとても懐かしく、そして貴重な写真です。現在は無観客で開催されているNBAシーズンですが、2020年2月時点ではこれほどまでの観客がいたということ。早くコロナパニックが収束し、この光景が再びマジソン・スクエア・ガーデンで見られることを願ってやみません。
ファッションに、スポーツに、ニューヨークはネタの宝庫。
日中はスニーカー・ストリートファッションの現場取材、そしてショップスタッフとの情報交換という時間を過ごし、夜はスポーツの現場の空気を体験する。ニューヨークという街で出来ること、得られることは本当に多く、毎年行くたびに様々なアップデートがあります。
特に移り変わりの激しいファッショントレンドは、その発信地になることも多いニューヨークで得られる情報の鮮度が最も高いのです。ヨーロッパからも近く、まさに世界の中心という捉え方をしても過言ではないでしょう。
もちろん仕事は全力でしつつ、スキマ時間でショッピングが出来るのも醍醐味のひとつ。今回は、すっかりスニーカーに恋したSPOALディレクター石井がなんととんでもないモノを買いました。
それが、このスニーカー。
NIKEとファッションブランド「OFF-WHITE(オフホワイト)」とのパートナーショップに、世界的テニスプレーヤーであるセレナ・ウィリアムズもジョインした奇跡の三重奏コラボレーションモデル【OFF-WHITE × NIKE BLAZER MID “QUEEN” 】です。
日本では発売数分で即完売し、セカンドマーケットでの取引価格は10万円以上。そんなモデルを、ニューヨークの雰囲気に後押しされた石井が男気を出して購入したのでした。
「ヤバい、帰ったら仕事がんばらなきゃ」
と言いつつも、満足そうな顔の石井。我慢できずにニューヨークの地ですぐに足を通すあたり、完全にスニーカーヘッズの仲間入りといえそうです。同行の身で来たにもかかわらず、私以上にニューヨークを漫喫しているのはご愛嬌。
こうして濃密なニューヨーク取材は、無事終了。
帰りの際には「来年はどんな取材しようね」なんて石井と話していましたが、まさか一年後に東京のオフィスで懐かしさと寂しさを込めてこんな記事を書いているとは思いもしませんでした。
一年でこれだけ変わるのだから、来年の今頃もきっと変わっているはず。私の予想では、ニューヨークの地から皆様にこの続編記事をお届けしていると思っています。
待ってろ、ニューヨーク!
恋するスニーカー in NewYork 終
2021年2月公開