「手と口と鼻があれば誰でも危険」
皆さんご存知、映画「コンテイジョン」(2011年)からの一言。
感染症の恐怖とパニックを描いたこの作品。
新型コロナウイルス による緊急事態宣言が発令された頃、現実にかなり近いと噂された映画。
「マトリックス」のモーフィアス役でおなじみのローレンス・フィッシュバーンが渋い演技を見せてくれています。
そんな激シブ俳優フィッシュバーンですが、「地獄の黙示録」では死亡フラグ立ちまくりのチャラい新兵を好演(当時18歳)。
現在の重鎮感が全くない、若き姿を是非チェックしてみてください。
さて、2020年と言えば、新型コロナウイルスの話は避けて通れないでしょう。
冒頭のセリフでも触れているように、マスク着用と手の消毒をし続けたこの1年。
今年のSPOAL取材で印象に残ったシーンを、未公開写真とともに振り返ってみましょう。
1月 「しぶさんぽ」堂々のスタート
1月。
新連載「しぶさんぽ」の取材は、オリンピックイヤーという事で、新国立競技場を中心に。
厚生労働省の発表によると、この時点(撮影時)では、日本国内の新型コロナウイルス感染者はわずかに1人。
取材現場でも「海外で変なウイルス出たみたいですね。」くらいしか話していなかった気がします。
ノーマスクでGo
3月 マスクは品切れ状態に
3月。
緊急事態宣言発令の前ですが、コンサート、イベントなどは軒並み中止や延期へと。
この頃から「オリンピックもどうなのよ?」という話題になってきました。
マスクやトイレットペーパーの品切れも続出。
先日、上野のアメ横に行った際、50枚入りのマスクがなんと199円で販売しているのを発見。
いったいあの騒動はなんだったのでしょう。
中止、延期のお知らせばかり
6月 オリンピアンに直撃!
6月。
緊急事態宣言も解除され、長かった自粛期間が終わったものの感染者数は国内では17,000以上。
ウィズコロナといった言葉も出始め、ウーバーイーツも街中の見慣れた光景に。
配達しているご本人に取材が出来るとは思ってもいませんでした。
内部は保温対策もバッチリ
7月 夏草や兵どもが夢の跡
7月。
まさかまさか、オリンピックが延期になるとは。
「しぶさんぽ」で訪れた神宮球場隣の軟式野球場。
本来であればオリンピック用の綺麗なサブトラックが広がっていたところでしょうが、雑草だらけに。荒れ果てた感はちょっと寂しい気持ちになりますね。
田舎の野球場ではありません
マニアックなお話を
今年を振り返るにあたって忘れちゃいけないのが「マニアックモノガタリ 」
私、カメラマン近藤が様々なモノをマニアックに語るという連載が始まりました。
中でもガンダムの話は捨てがたいのですが、個人的には「パーマセルテープ」についてが一番のお気に入りです。
ご覧になった方、テープを上手に使っていただけているでしょうか。
せっかくの機会なので、カメラマンの視点からSPOALのサイト制作の過程を
「マニアックモノガタリ #12」を例にちょっとご紹介しましょう。
各テーマの顔となる、SPOALトップページに並ぶタイトル画像。
この撮影が苦しくもあり、楽しみでもあります。
この回は「スーパーファミコン」がテーマなので、ゲームだったら秋葉原が舞台かなと。
(ここはパッと思いついた直感を大事にします。)
ディズニー・ピクサーのアニメ映画「カーズ2」に出てきたような、“電脳タウン”。
ピカピカなサイバー空間な感じにしようと思いつき、カメラを担いで、いざ秋葉。
時は6月。緊急事態宣言は解除されたものの、撮影時は政府からの休業要請の真っ只中。
カラオケ、ゲームセンターは営業自粛で、お店の電気がついてない!
イメージではもっと明るかったのに……。
本当に今まで当たり前だったことが通用しなくなっている時代だと痛感しました。
カメラマンは手ぶら(撮れ高がない状態)で帰るのを嫌がる人種ですし、
来週になったら状況がよくなる保証もないので、現状で撮った写真が下になります。
画面右側SEGA2号舘はこの8月に閉店。
いわゆる撮って出しの素材写真。
画面右側のゲームセンターは自粛のため店内の電気は消灯したまま。
電飾の点灯していない店舗も多く見られます。
このままこの写真を使っても想像していたアキバ感が出ません。
締め切りの都合上、撮り直しもできない状況で、ここからどう料理するかが腕の見せ所。
画像処理を駆使し、自分のイメージに近づけるため“盛って”いきます。
フォトショップありがとう
どうでしょうか?素材の写真に比べたら、なんとなく街全体が光っているように見えませんか?
フィルム時代では考えられなかった画像処理が、簡単に自宅で出来てしまうのですから助かります。
最後にページのレイアウトを考慮し、大きさを様々な形に変え、文字タイトルを入れれば完成です。
文字色はスーパーファミコン色で
2020年は世界がウイルスに翻弄された年。
カメラマンも現場に行ってからが勝負の商売なので、こんなにも仕事がなくなってしまうのかと正直打ちのめされました。
来年もまだまだ不安な要素は多々ありますが、上の写真のように、試行錯誤を続けながら新しい表現の道を探して行きたいと思っています。
(もちろん、よりマニアックな道も)
引き続きSPOALをよろしくお願いいたします!
2020年12月公開